8月のMS月例パッチを総括――IEパッチの修正版をリリース（2/2 ページ）

[Michael Cherry，Directions on Microsoft]

初のホットパッチ対応更新プログラムが登場

　DNS解決の脆弱性を解消する修正プログラムMS06-041をWindows Server 2003 SP1に適用する場合は、サーバの再起動は必要ない。このセキュリティ更新プログラムは、ホットパッチをサポートする初の更新プログラムの1つである。ホットパッチは、サーバを再起動せずにWindows Server 2003 SP1に修正プログラムを適用できるようにするテクノロジーである。

　しかし、これで完全にサーバの再起動が過去のものになったわけではない。Windows Server 2003 SP1のファイルの一部はホットパッチに対応していないため、1度に多数の脆弱性を修正する累積更新プログラムを適用する場合は、やはり再起動が必要になることが考えられる。

　また、2006年8月の月例パッチでは、優先度の高い非セキュリティ更新プログラムも2件リリースされている。1件はOutlook 2003の迷惑メールフィルタの月例更新プログラムであり、もう1件は、InfoPath 2003の問題に対応する更新プログラムだ（この問題については脆弱性情報が文書化されていない）。

　そのほか、先月までと同様に、悪意のあるソフトウェアの削除ツール（MSRT）も更新され、今月は新たに2種類のマルウェア（Win32/Banker、Win32/Jeffo）を検出および削除できるようになった。

2006年8月のMSセキュリティパッチ

セキュリティ情報 / セキュリティアドバイザリ	深刻度	影響を受けるソフトウェア	サポート技術情報
MS06-040：Serverサービスの脆弱性により、リモートでコードが実行される	緊急	Windows	921883
MS06-041：DNS解決の脆弱性により、リモートでコードが実行される	緊急	Windows	920683
MS06-042：Internet Explorer（IE）用の累積的なセキュリティ更新プログラム	緊急	Internet Explorer	918899
MS06-043：Microsoft Windowsの脆弱性により、リモートでコードが実行される	緊急	Windows	920214
MS06-044：Microsoft 管理コンソール（MMC）の脆弱性により、リモートでコードが実行される	緊急	Windows	917008
MS06-046：HTMLヘルプの脆弱性により、リモートでコードが実行される	緊急	Windows	922616
MS06-047：Microsoft Visual Basic for Applications（VBA）の脆弱性により、リモートでコードが実行される	緊急	Office Works VBA SDK	921645
MS06-048：Microsoft Officeの脆弱性により、リモートでコードが実行される	緊急	PowerPoint (Mac版を含む)	922968
MS06-051：Windowsカーネルの脆弱性により、リモートでコードが実行される	緊急	Windows	917422
MS06-045：Windowsエクスプローラの脆弱性により、リモートでコードが実行される	重要	Windows	921398
MS06-049：Windowsエクスプローラの脆弱性により、リモートでコードが実行される	重要	Windows	920958
MS06-050：Microsoft Windowsハイパーリンクオブジェクトライブラリの脆弱性により、リモートでコードが実行される	重要	Windows	920670

2006年8月の月例パッチでリリースされた修正プログラムを表に示す。「緊急」レベルが9件、「重要」レベルが3件あり、これらを適用すると23の脆弱性が解消される。