OSSに貢献したのは誰? 2006年度日本OSS貢献者賞の締切迫る

IPAが進める「2006年度日本OSS貢献者賞」の締切が11日に迫っている。自薦他薦を問わず誰でも応募できるのだが、皆さんは誰がこの賞にふさわしいと思うのだろうか?

» 2006年09月06日 14時27分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 先日スラッシュドットでもトピックになっていたのでご存じの方も多いだろうが、情報処理推進機構(IPA)が進める「2006年度日本OSS貢献者賞」の締切が11日に迫っている。

 今回が2回目となる同賞は、日本におけるOSS開発の振興を図ることを目的に、影響力のある開発プロジェクトを創造、運営した開発者やグローバルプロジェクトにおいて活躍する卓越した開発者や普及に貢献した方を表彰するもので、昨年は鵜飼文敏氏、高橋浩和氏、高林哲氏、まつもとゆきひろ氏の4名が選出された。

 今回対象となるのは、「日本および世界のOSS発展に大きく貢献」し、かつ、「現在も日本で活動を継続している」方であるという。昨年は、「優れたオープンソース・ソフトウェアの開発者」とあった部分が、今回は「優れたOSS開発者や普及に寄与した貢献者」とされている。つまり、純粋な開発者でなくとも、例えばドキュメント関係での貢献や、啓発活動などをつうじて普及に貢献した人なども対象になり得るのだろう。

 OSSで、「日本」というフレーズを強調していることにどれほどの意味があるのかは疑問の余地がある。例えば、この定義に厳密に従うなら、Googleへと活躍の場を移し、現在はマウンテンビューにいる鵜飼氏のような人物は該当しないことになる。同氏はすでに受賞されているので関係ないと言えば関係ないのだが、こうした矛盾が生じやすい範囲の限定を行う意味がどこにあったのかと感じてしまう。もちろん、この賞の目的がある種のシンボルを創りあげようとするものである以上、上述のような対象基準になるのも分からなくはないのだが……。

追記:鵜飼氏はすでに帰国されていました。

 審査員には、東京工科大学学長でMozilla Japanの理事でもある相磯秀夫氏のほか、SRA OSSの石井達夫氏、CE Linux Forumで活躍するソニーの上田理氏などの名前が並ぶ。どのような審査基準があるのかは公表されていないが、個人的には武藤健志氏や八田真行氏、先ごろVine Linux 4.0 beta1を公開した鈴木大輔氏などが選出されるのではないかと予想している。加えて、若い世代からの選出があるかどうか注目している。

 締切は9月11日の午後5時までとなっており、まさに現在、自薦、他薦を問わず一般からの推薦を募集しているさなかだ。前回は39人の候補者から選出されたが、名がよく知られた方々が昨年表彰されていることもあり、今年はこの数が減ることも予想される。多くの応募があることを祈ってやまない。

応募方法について

 応募方法については、推薦書がこちらからダウンロードできる。ここに必要事項を記入し、以下のメールアドレスまでメールに添付して送ればよい。


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