危険がいっぱいの検索結果に警告表示、「マカフィー 2007」

マカフィーは、Webサイトの安全性を表示する機能などを加えたコンシューマー向けのセキュリティソフトの新バージョン「マカフィー 2007」を発表した。

» 2006年09月20日 20時36分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 マカフィーは9月20日、コンシューマー向けのセキュリティソフトの新バージョン「マカフィー 2007」を発表した。ユーザーインタフェースを一新したほか、米McAfeeが5月に買収したSiteAdvisorの技術を統合し、Webサイトの安全性を示す機能が提供される点が大きな特徴だ。

 同社代表取締役社長の加藤孝博氏は、「ウイルスの数は2004年に、15年かけて累計10万種に達したが、その後急激に増加しており、2006年にはわずか2年で倍に達している。それに対するプロテクションも多様化しなくてはならない」と述べた。

マカフィーの代表取締役社長、加藤孝博氏。現在の市場シェアは13%だが、これを2008年度までに30%に伸ばしていくのが目標

 マカフィー 2007では、基本機能である「ウイルス対策」「ハッカー対策」のほか、「スパイウェア対策」「迷惑メール対策」「個人情報保護」など10種類のセキュリティ機能が提供される。

 親が子供のPC利用状況を制御する「パレンタルコントロール」や「無線LAN保護」に加え、新たに、不要なデータやCookie、キャッシュなどの情報を消去する「PCクリーンアップ」、重要なデータを保護する「バックアップと復元」、家庭内ネットワークでファイル/プリンタ共有を安全に実現する「簡単ネットワーク」がある。これらに加え、SiteAdvisorによるWebサイトの安全性評価機能が加わる構成だ。

 提供する機能に応じて4種類のスイート製品があり、ほかに単体の製品として、無線LAN保護に特化した「マカフィー・ワイヤレスプロテクション」が提供される。各スイートの構成は下記の通りとなる。

パッケージ名 マカフィー・ウイルススキャン プラス マカフィー・PCプロテクションプラス マカフィー・インターネットセキュリティスイート マカフィー・トータルプロテクション
セキュリティの管理
ウイルス対策
スパイウェア対策
ファイアウォール
PCクリーンアップ -
バックアップと復元 -
迷惑メール対策 - -
メッセンジャー保護 - -
個人情報保護 - -
フィッシング詐欺対策 - -
パレンタルコントロール - -
無線LAN保護 - - -
ファイルとプリンタの共有 - - -

 2007年版の特徴の1つは、ユーザーインタフェースを一新したこと。「McAfee SecurityCenter」という管理画面では、現在PCが安全か、それとも危険な状態にあるのかを「緑」「黄」「赤」の3色で分かりやすく示すほか、必要に応じてワンクリックで対処を行えるようにした。さらに、ルータにつながれた家庭ネットワーク内のPCについて、一元管理やリモートからの修復作業を行えるようになった。

新しいインタフェース

 もう1つの特徴は、アクセス先のWebサイトが安全かどうかを示す「McAfee SiteAdvisor」機能だ。

 SiteAdvisorでは、Webサイトの存在する場所や期間といった基本的な情報に加え、そこからダウンロードされるファイルの種類や危険なサイトへのリンク数、登録後に送られてくる迷惑メールの数など、さまざまなパラメータを収集し、データベースを作成している。これらのパラメータを元に、アクセス先のサイトが危険か安全か、あるいはその中間のグレーゾーンかを表示する仕組みだ。同社によると、SiteAdvisorのデータベースでは、全世界のWebサイトの95%がカバーされているという。

 SiteAdvisorの警告表示方法は2つある。1つは、GoogleやYahoo!、MSN Searchの検索結果画面にアイコン表示を加える方法だ。

SiteAdvisorを利用すると、検索結果の画面に安全性/危険性を示す表示が加わる
SiteAdvisorの詳細情報

 「例えば、英語で『Screensaver』『Wallpaper』といった単語を検索すると、危険なWebサイトがどんどん出てくる。日本語のサイトではまだこうしたところは少ないが、いつ同じ状態になってもおかしくない」(同社のプロダクトマーケティングマネージャ、飯嶋睦氏)。アイコンをクリックすれば、ダウンロードしたファイルに含まれるスパイウェアなど、より詳細な情報を確かめることができる。

 一方、Webブラウザで直接URLを入力したり、電子メール中のリンクをクリックした場合には、ブラウザのアドレスバー部分で警告を表示することが可能だ。

 2007年版ではほかに、スパイウェア対策機能の統合やrootkit検出機能の搭載、迷惑メールフィルタ機能の高速化などの強化が図られている。また細かな部分だが、簡単ネットワーク機能では、ファイル共有とプリンタ共有を安全かつ簡単に行えるようにした。「Windowsの標準機能でも共有は可能だが、ちょっと設定を間違えるとPCが非常に危険な状態になってしまう。そうしたリスクを避けるために提供する機能」(飯嶋氏)だという。

 価格は、オンライン版で1ユーザー/1年契約の場合、ウイルススキャンプラスが4095円、PCプロテクションプラスは4620円、インターネットセキュリティスイートは5775円、トータルプロテクションが6980円。ほかにパッケージ版、3ユーザー版などが用意されている。

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