Office 2007スイートに加わるGroove、躍進のチャンスを生かせるか(2/2 ページ)

» 2006年10月12日 07時00分 公開
[Rob Helm,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版
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Groove 2007:他製品との連携が向上、既存機能の一部はカット

 Groove 2007は、現行のGroove 3.1から大幅に変更される。

 幾つかの機能はOfficeチームの開発力を活用して導入される。Groove 2007クライアントにはOfficeの機能が多数搭載され、その中にはスペルおよび文法チェッカ、Windowsエラー報告とカスタマエクスペリエンス向上プログラムの仕組み、新しいOffice 2007インストーラなどが含まれる。また、Groove 2007クライアントは28の言語にローカライズされる(従来のバージョンは英語にしか対応していなかった)。

 さらに、多くの新機能により、GrooveはほかのMicrosoft製品とより緊密に連携するようになる。Groove 2007のワークスペースでは、InfoPath 2007フォームの入力ツールが用意される(Grooveネイティブなフォーム用のツールも提供される)。Groove 2007のワークスペースは、Windows SharePoint Services(WSS)3.0のドキュメントライブラリとの間でドキュメントを同期できるため、Grooveはドキュメント管理とワークフローにWSSを利用できる。また、IM/音声クライアントのOffice Communicatorを持っているGroove 2007ユーザーは、Communicatorのプレゼンス情報をGrooveで見ることができ、GrooveからCommunicatorセッションを起動できる(Grooveネイティブなプレゼンス機能やIM機能も提供される)。

 一方、Groove製品ラインの新しいパッケージ形態も注目される。Groove 2007クライアントソフトウェアは、初めてOfficeスイートの一部として出荷される。新しいEnterprise EditionとUltimate EditionにGroove 2007が含まれることになっている。これにより、膨大な新しいユーザーがGrooveを手にすることになり、同クライアントの導入展開が容易になる(同クライアントは単体での販売も継続される)。また、Microsoftは小規模企業向けに、Groove 2007クライアントとリレーサービスを、Office Live Grooveという年間契約の会員制サービスとしても提供する。このサービスを利用すれば、フルクライアントを購入する場合よりも初期コストが抑えられる。さらに、Microsoftは単一のGroove Serverライセンスおよび製品を用意することで、Grooveサーバのライセンスモデルを簡素化している。1本のGroove Serverライセンスで、1台のコンピュータでGroove Serverのコンポーネント(リレー、管理、Enterprise Data Bridge)を任意に組み合わせて動作させることができる。Groove Serverのコンポーネントは個別に、あるいは組み合わせてインストールすることが可能だ。

 Groove 2007には、既存バージョンのユーザーが注意すべき点が幾つかある。最も重要なのは、Groove 2007ユーザーは、現行のGroove 3.1までの従来バージョンで作成されたワークスペースにアクセスできるが、従来バージョンのユーザーは、Groove 2007で作成されたワークスペースにアクセスできないことだ。また、Groove 2007で作成されたワークスペースは、従来バージョンの一部の機能(Contact Manager、Document Review、Outlinerツールなど)をサポートしない。ただしGroove 2007ユーザーは、従来バージョンで作成されたワークスペースではこれらのツールを利用することが可能だ。さらに、Groove 2007ではWordドキュメントの共同編集、PowerPointプレゼンテーションのグループでの閲覧、ドキュメントライブラリ以外のSharePointデータの統合がサポートされなくなっている。新しいワークスペースツールを作成するためのGroove Development Kitも提供が打ち切られている。ただし開発者は、既存のGrooveツール(GrooveフォームやInfoPathフォーム用のツールなど)をカスタマイズすることはできる。Microsoftのグループプログラムマネジャー、マーク・オルソン氏によると、同社はGroove 2007のリリースを、SharePointとの統合などの機能を再考するとともに、一部機能を削除するための「最初で最後の機会」と考えた。削除対象となったのは、ローカライズや、同社の10年間のサポートライフサイクルにわたる保守のために過大なコストがかかる機能だという。

ニッチ市場をどれだけ開拓できるか

 だが、Grooveには根本的な課題が残っている。広く定着している既存コラボレーション技術と機能的に重複していることだ。Grooveは、電子メールやファイル共有、Webベースのチームサイト、IMといった技術に対して独自の強みを持っている。その最たるものは、オフラインユーザーや企業間コラボレーションのサポートだ。しかし、ほかのコラボレーション技術はよく知られており、既にほとんどの大企業で導入されている。また、ほかのコラボレーション技術では、Grooveにない便利な機能、例えばドキュメントのバージョニング、ワークフローサポート、ログの集中管理といった機能も提供される。これらのことから、企業はこうした既存技術に加えてGrooveを導入することに二の足を踏むかもしれない。

 これらの問題を抱えながらも、Grooveチーム自体は前に進んでいる。Grooveチームは、ドキュメントレビューをサポートするGrooveワークスペーステンプレートなど、Groove 2007の一連のアドオンを計画しており、既にGrooveのその次のリリースについても設計を進めている。また同チームは、Microsoftのチーフソフトウェアアーキテクトで元Groove Networks CEOのレイ・オジー氏という強力な後ろ盾も持っている。だが、Microsoftのほかの部門が、製品としてのGrooveへのさらなる投資に歯止めをかけ、Grooveの機能をSharePoint Serverなど、より定着した、応用性の広いコラボレーション製品に統合しようとする可能性もある。

 Grooveは今後3年が正念場になりそうだ。Office 2007 Enterprise Editionへのアップグレードを促進し、サーバ製品の売り上げを押し上げれば、Grooveは製品として存続するだろう。だが、Grooveがこうしたビジネスへの貢献を果たさなければ、MicrosoftのGrooveに対する将来の投資は微々たるものになるか、あるいは打ち切られるかもしれない。こうした扱いになった技術の前例としては、Exchange Conference Server、Local Web Store、Visual Basic 6などがある。Grooveに関心がある企業は、そうした可能性を念頭に置いて投資計画を立てなければならない。

発売時期と価格

 Office Groove 2007クライアントとOffice Groove Server 2007は、2006年末に発売が予定されている。

 Groove 2007クライアントは、単体販売時の推定小売価格が229ドル。クライアントと基本的なホスティングサービスを提供する会員制サービスのOffice Live Grooveは、年間料金がユーザー当たり80ドル。同クライアントでは、一定期間無料で使えるフル機能の試用版が提供されるが、これは、短期間運用されるGrooveワークスペースに参加しなければならないユーザーにとって便利だろう。Groove ServerとGroove Enterprise Servicesの価格は発表されていない。これらの旧バージョン価格はそれぞれ1万〜2万ドルとなっている。

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