ITツールは「まず使ってみる」に限る!追求! BIソリューション活用術 第2回(2/2 ページ)

» 2006年10月19日 08時00分 公開
[アイティセレクト]
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 日本企業が欧米流の経営手法を取り込むようになった中で、BIの役目として今一番注目を浴びているのが、管理会計の分野だ。

 管理会計は企業によって手法が異なる。ただ、絶対にやらなければならないことが計画系データとの比較ということは共通している。とりわけ、おカネは最も正確に定量化されるデータであるため、比較しやすい。そのため、予算編成においてBIを有効活用する動きが出始めている。これがCPMという概念が生まれたきっかけだ。

 その概念は、BIをDWHとして据え、実績データを完全に一元管理し、それを基にファイナンシャルマネジメントや戦略立案を行い、かつそれを検証できるようにすること。これにより、きちんとした事業計画立案や予算編成ができるようになるというものである。

 CPMの考え方は、日本でも聞かれるようになっている。従来のやり方では、事業計画立案や予算編成は形で終わってしまっている。定量化され、BIに蓄えられている実績データを基にして事業計画・予算を立てれば、後で「どうなったか」を検証でき、次の期に反映させることができる。また、戦略などは時間軸を基にしたビジョン提唱となり、定性データとしてしか残っていない。定量化され、BIに落とし込まれることがないのだ。そのため、CPMがにわかに脚光を浴びてきているのである。

 「日本企業はその期だけで見てしまい、次の期に反映しないところがある。数値データを基にして、定量化した戦略を立てるという文化・習慣がない」(山本氏)

 山本氏によると、基本的にBIというと実績系データ、CPMというと計画系データの整理に使うものになる。つまり、BIがなければCPMは機能しない。そして、この二つが調和すれば、真のIT経営ができるようになるという。

 「極端なこといえば、財務会計と人事給与のシステムはないと業務ができないが、BI/CPMのシステムはなくても経営はできる。つまり、必要十分条件のものではない。だが、これから世の中にコミットして成長することを考える会社にとっては、BI/CPMは財務会計や人事給与のシステムよりも必要なものに違いない」(山本氏)

 [基幹系―BI―実行系]という企業システムにおいて、BIは実行系を確実に動かし、パフォーマンスを出すための役割を持つ。基幹系が血液、実行系が筋肉だとすれば、BIは神経になるのである(「月刊アイティセレクト」11月号の特別企画「追求! BIソリューション活用術 近道は『まず使ってみる』こと」より)。

ジールグループとは…

 基本的に、BI/CPMに特化したディストリビューション&導入コンサルティング企業。さまざまなBIベンダーの製品販売、運用・保守を手掛ける。CPMソリューションとして、各ベンダーのOLAPと完全連携する「My Navigator」も自社開発している。

 グループの中核は、SIerとして技術分野を担うジールと導入コンサルティングを受け持つBI戦略研究所がある。

ジールグループの代表、山本秀典氏。

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