「Oracle OpenWorld」カンファレンスの開幕初日、一連のSOA(サービス指向アーキテクチャ)関連製品を発表した。数々のオープンテクノロジーへのサポートが明らかとなっている。
米Oracleは「Oracle OpenWorld San Francisco 2006」カンファレンスの開幕初日、一連のSOA(サービス指向アーキテクチャ)関連製品を発表した。その中では「Oracle SOA Suite 10g Release 3」のリリースがトピックとなった。
サービス指向アーキテクチャなどをメインテーマの1つとして10月23日にサンフランシスコで開催された今回のカンファレンスは、Oracle Fusion Middlewareの新しいコンポーネントの発表でスタートした。
Oracle SOA Suite 10gの新バージョンでは、SOAの配備/導入を簡素化するための改良が盛り込まれている。具体的な改善点としては、ワンクリックインストール機能、ESB(Enterprise Service Bus)の改善、ヒューマンワークフロー機能の拡張、Webサービスセキュリティ/相互運用性の改善、新しいSOAガバナンス機能のサポートなどがある。
同社によると、Oracle SOA Suite 10gでは、ESBが改善されたことにより、SOA環境内で異種サービス/アプリケーションを接続するのに必要なプログラミング量を減らすことができるという。一方、同スイートのオーケストレーションコンポーネントである「Oracle BPEL Process Manager」では、ヒューマンワークフロー機能の拡張により、ワークフローデザイナーの簡素化を実現するとともに、複雑なタスクルーティング/エスカレーションを管理する新しいアルゴリズムが追加された。
このコンポーネントには、SOAアプリケーションのプロセスのテストとサービスのシミュレーションを自動化する新しいテスティングフレームワークも含まれる。
Oracle SOA Suite 10g Release 3は、Enterprise Service Registryを特定/分類/バージョン管理する機能および同レジストリにサービスを発行する機能も備えるという。そのほかにも、社内でサービスをセキュアに表示させ、新しいサービスのプロビジョニングを管理する機能、セキュリティポリシーおよびSLA(Service Level Agreement)を一元的に管理する機能、ビジネスプロセス監査に対応したガバナンス要件を面倒な設定なしに実装する機能、サービスの相互作用を捕捉/追跡し、SOAアーティファクト/メタデータをWebサービス用に保存するメタデータリポジトリサービスなどがある。
Oracleによると、新バーンジョンでは、サービスとコンポーネントを再利用する機能やSOAのデザイン/実装方法も改善されたという。
Oracleでサーバ技術を担当するアムラン・デブナス副社長は発表文の中で、「SOAは急速に、顧客企業が既存のIT資産からさらなるビジネス価値を引き出し、異種アプリケーション/サービスを連携するための標準手法になりつつある」と語っている。
Hitachi Consultingで戦略技術ソリューションを担当するブライアン・エリクソン執行副社長は、「SOAの普及状況は、早期導入ユーザーによる採用という段階からメインストリーム市場への進出という段階に入っており、顧客は導入、配備、管理が容易なSOAインフラコンポーネントを求めている」と発表文で述べている。
しかしBEA Systemsのワークショップ事業部のビル・ロス副社長は、OracleのSOA関連の発表に対して批判的だ。「われわれは2003年以来、SOAについて話している。IBMは最近、自社のソフトウェアの大部分をSOAのペンキで化粧直しした。Oracleの場合も、自分たちがやっているのは全部SOAだという『右に倣え』式の発表に過ぎず、データベース専門ベンダーであることを売り物にしている」と同氏は指摘する。
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