ParallelKnoppix CDには、必ずしもクラスタ化とは関係のないたくさんのソフトウェアが付属している。幾つものエディタ、マルチメディアアプリケーション、インターネットアプリケーション、ゲームをはじめ、数え切れないほどのソフトウェアがそろっている。
あなたが実際に生産的であるなら、ゲームやその他もろもろは、おそらく必要なアプリケーションのうちに入らないだろう。それでも、PKのディスクがたまたま手元にあって暇をつぶしたいときには、いつでも退屈なWindowsマシンを少しの間Knoppixのデスクトップに切り替えることができる。
しかし、PKにはクラスタ化に役立つ数多くのアプリケーションも付属している。KDEメニュー(Kメニュー)には、ParallelKnoppixをリマスタし、クラスタを設定し、PKの設定を保存するための一連のスクリプトが含まれる[ParallelKnoppix]メニューがある。
必要なアプリケーション(Firefoxなど)がPKに含まれていない場合は、PKをリマスタしてシステムにアプリケーションを追加できる。
ライブCDディストリビューションの厄介な点の1つは、マシンを再起動すると、苦労して設定した内容がすべて消えてしまうことだ――ただし、設定を保存する方法があれば別である。PKには、これを素早く簡単に行う方法が用意されている。
[ParallelKnoppix]メニューを開いて[Save PK Configuration]を選択する。このダイアログボックスでは、個人用の設定、ネットワーク設定、およびプリンタ設定を保存するかどうかを選択し、設定情報の保存先を指定することができる。おかしなことに、FDDは存在するかどうかにかかわらず、保存先の選択肢に表示される。ファイルの保存先を間違えないように指定しよう。
残念ながら、HDDに保存した設定は自動的には検出されないので、起動時に次のように指定して、ディスクから設定を読み込むように具体的に指示する必要がある。
boot: knoppix myconfig=scan
それでも、再起動するたびにPKを設定し直すよりはましである。
ParallelKnoppixを試してみたいが、2台のコンピュータを用意できないという場合は、PKをQemuで実行することができる。最近のLinuxディストリビューションを使用しているなら、おそらくQemuパッケージが用意されているはずである。例えばUbuntuユーザーであれば、次のコマンドを実行してQemuをインストールできる。
# apt-get update
# apt-get install qemu
これにより、Qemuと、必要な依存パッケージがすべてインストールされる。また、Windowsで利用できるQemuもある。デスクトップにWindowsを使用している場合は、代わりにWindowsインストーラをダウンロードして試すことができる。
ParallelKnoppixをQemuで実行するには、次のコマンドを使用する。
# qemu -m mem -cdrom parallelknoppix-2006-06-19.iso
-mは、仮想マシンに割り当てるRAMの容量を指定するオプションである。マシンに搭載されているRAMの容量に応じて、384Mバイト以上のRAMを割り当てる必要がある (RAMが512Mバイト未満のマシンでは、Qemuで処理を実行するのは無理かもしれない)。-cdromは、起動にISOイメージを使うことを指定するオプションである。
Qemuは、VMware Player、Server、またはWorkstationほど高性能ではない。ParallelKnoppixをしばらく試してみるつもりなら、VMware ServerまたはPlayerをダウンロードすることをお勧めする。
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