緻密なアクションプランを立てろ!データベースの「生きる道」を探る 第7回

マーケティングの世界でその活用に期待が寄せられるデータベース。富士通総研のマネジメントコンサルタント、高橋秀綱氏によると、それを成功裏に進めるためのポイントは5つある。

» 2006年11月21日 07時00分 公開
[富永康信(ロビンソン),アイティセレクト]

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 マーケティング活動でデータベースを利用する本当の狙いは、顧客データベースを基に「既存の顧客から効率的に売上を確保すること」「優良顧客を逃さないこと」だ。富士通総研第二コンサルティング本部流通コンサルティング事業部のマネジメントコンサルタント、高橋秀綱氏によると、顧客データベースを活用してマーケティングを成功させるにはポイントが5つあるという。その1つ目は、「どのようなマーケティング・アクションを取るか決めること」。

富士通総研で、流通業を中心としたリサーチ&マーケティング、新規事業開発、業務改革などの企画立案型のコンサルティング活動を数多く手がける高橋秀綱氏。民間企業で培ったノウハウを行政機関に適用した取り組みとして、政策ターゲット設定を支援する戦略的調査・研究活動も実践している。

マーケティング・アクションの具体的な仮説立案を

 顧客データベースを活用した代表的なマーケティング手法として、ポイントサービスやマイレージのようなフリクエンシー・プログラム(FP)がある。FPは、2割の優良顧客の売り上げが全売り上げの8割を占めるというパレートの法則に基づき、その貢献度が高い優良顧客に対してほかの顧客層より多くの特典を与え、彼らを維持・拡大しようとするもの。既存顧客の囲い込み戦略として、日本でも小売業や航空業界を中心に10年ほど前から急速に広まった。最近では旅行や電力、金融、電鉄系などポイントサービスには縁のなかった企業も採用している。

 そのFPが今、「一度導入したらやめられない」「競争相手が始めたら自社も始めるしかない」といった「悪循環」に陥っていると高橋氏は警告する。「ポイント還元による金銭的メリットだけで顧客を囲い込む単なるディスカウントの手段と化し、収益を圧迫するケースも目立ち始めています」とも。

 FP本来の目的は、顧客の基礎情報を取得すると同時に、購買履歴をデータベース化してマーケティング効果を上げること。そのためには、「自社の商品特性や売上構成を踏まえ、顧客データベースを活用した具体的なマーケティング・アクションに関して、どこまでち密な仮説を描けるかが成否を分けるポイント」と高橋氏は指摘する(「月刊アイティセレクト」11月号のトレンドフォーカス「顧客データ活用からマーケティングを成功に導く重要5ポイント」より。ウェブ用に再編集した)。

※2つ目は明日(22日)の記事にて

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