「あれこれ心配するのはわれわれの役割」――Windows Live OneCare担当者

米MicrosoftのWindows Live OneCare担当者が来日。ユーザーがあれこれ心配することなく、安心して使える環境を提供していきたいと述べた。

» 2006年12月25日 18時55分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 「Windows Live OneCareの目的は、ユーザーがPC環境を信頼し、安心して使ってもらうようにすることだ」――先日来日した米McirosoftのWindows Liveプラットフォーム・モバイル・OneCare製品マネジメントグループのジェネラルマネジャー、ブライアン・ホール氏は、同社がコンシューマー向けに提供する新サービス「Windows Live OneCare」の狙いについてこのように語った。

 マイクロソフトは、2007年1月30日のWindows Vistaリリースと同時に、更新サービスを組み合わせたウイルス対策/システムメンテナンスソフトウェア「Windows Live OneCare」を提供することを発表している。

 ウイルスやスパイウェア、悪意あるソフトウェアの検出と削除、ファイアウォールといったセキュリティ機能に加え、PCのパフォーマンス最適化やバックアップ/リカバリといった機能をひとまとめに提供する。ホール氏はこれを「PCのケアに必要なものをすべて提供するオールインワンの製品だ」と表現している。

米McirosoftのWindows Liveプラットフォーム・モバイル・OneCare製品マネジメントグループのジェネラルマネジャー、ブライアン・ホール氏

 Windows Live OneCareは、クライアント側にインストールされるソフトウェアとインターネット越しに提供されるサービスを組み合わせた製品だ。ソフトウェア本体はローカルで動作するが、「ウイルス対策のシグネチャやファイアウォールのポリシーといったインテリジェンスはネットワーク経由でアップデートされる」(ホール氏)。ソフトウェアとサービス、両方のいいところを組み合わせて提供していくという。

 同製品を提供する背景には、セキュリティ対策も含めたPCの「ケア」が十分になされておらず、ユーザー側も、できればそうした面倒な作業は誰かに任せたいと考えている現状があるとホール氏は述べた。

 例えば、「コンシューマーユーザーの50%以上がウイルス対策ソフトを導入していない」(同氏)。また「日本ではデジタルカメラやビデオが多く普及しており、大事なデータを失いたくないと考えている。しかし調査の結果、定期的にファイルのバックアップを取っているのはわずか10%以下だった。ここにも大きなリスクがある」という。

 かといって、「ユーザーは、『火曜日にはアップデートをして、金曜日にはバックアップを取って……』といった面倒な作業を望んでいるわけではなく、できることならば信頼できる人に任せたいと考えていることがわかった。部品を1つひとつ購入して自分で車を組み立てるのではなく、できあがった車を丸ごと1社から購入したいということだ」(ホール氏)

 こうした要望に対し、同氏はWindows Live OneCareを通じて、シンプルで包括的、かつ自動化されたソリューションを提供していきたいという。ポイントの1つは、常に「進化し続ける」こと。次々変化する環境やニーズに応じて「新しい脅威や課題に迅速に対応できるようにする」という。

 「友達とやり取りしたり、写真を保存したり、動画を見たりしている平均的なユーザーは、コンピュータのエキスパートであるとは限らない。そうした大多数のユーザーに、PC環境を信頼してもらい、あれこれ心配することなく使ってもらえるようにする。代わりに心配するのはわれわれMicrosoftの役割」(ホール氏)

参入は「顧客にとっていいこと」

 何もWindowsというOSを提供しているMicrosoft自ら手がけなくとも、既に市場には、さまざまなセキュリティやバックアップ、PCユーティリティツールが提供されている。ホール氏は「確かに市場には、いろいろなテクノロジが存在する」としながらも、「しかし、われわれが提供するのは、オールインワンのソリューションだ」と強調。シンプルで使いやすく、しかも新機能を自動的に使えるよう進化していくオールインワンのソリューションである点が特徴だとした。

 サポートや品質面にも力を入れていくほか、「問題をより広範に把握できるという面でも強みがある。最も早く問題の報告を受け、対応していくことができる」(ホール氏)

 市場の独占につながるのではという恐れもあるが、「われわれの参入は、より多くの競争を作り出すという意味で、顧客にとっていいことだと考えている」と同氏。実際に、Windows Live OneCareの発表によって、競合他社でも新機能の追加やマルチライセンス対応といったさまざまな取り組みを始めていることに触れ、それが顧客にとってメリットになるとした。

 Windows Live OneCareは第一弾のソリューションであり、将来的には、携帯電話も含めたモバイル環境の保護なども視野に入れているというが、当面は、β版ユーザーからのフィードバックを元に、さらなる機能強化などに務める方針だ。

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