リリース間近!? Windows Server "Longhorn" の評価ポイントWindows Server "Longhorn" 徹底研究(2/2 ページ)

» 2007年01月09日 08時00分 公開
[敦賀松太郎,ITmedia]
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検疫ネットワーク機能を提供

 もう1つ、注目される新機能として挙げられるのが、「ネットワークアクセスプロテクション(NAP)」である。これは、いわゆる“検疫ネットワーク”の仕組みを提供するもので、管理者がネットワークを適切に機能させるための要件をポリシーとして定義し、要件を満たさないコンピュータがネットワークと通信することを制限する。

 NAPでは、ポリシーに適合しないコンピュータを制限付きネットワークに限定してアクセスを許可したり、ソフトウェアや構成の更新が完了するまでアクセスできないようにしたり、一定時間や特定のリソースのみにアクセスを制限したりなど、細かい設定が可能だ。

 ただし、NAPは、悪意のあるユーザーからネットワークのセキュリティを保護することが目的ではない。そのため、ポリシーに適合しないコンピュータを正常にする機能はない。

NAPを管理する「ネットワークポリシーサーバ」

クラスタとファイルシステムの可用性が向上

 機能強化点として注目されるのが、フェールオーバークラスタリングとファイルシステムの改善だ。

 ハードウェア障害に備えるクラスタリング機能では、導入と管理が容易になったほか、ストレージやネットワークを含むシステム構成がクラスタに適しているかどうかをチェックする検証機能も搭載された。また、クラスタの性能が強化されたほか、クラスタの簡素化、セキュリティ保護の強化、クラスタの安定性の向上などが図られ、信頼性と可用性が大幅に向上した。

 一方、ファイルシステム(NTFS)も改良され、「自己回復NTFS」と「トランザクションNTFS」という新機能が追加された。自己回復NTFSは、カーネルベースでNTFSを強化したもので、ファイルシステムが自律的にディスク上の不一致を修復する新しい機能。この機能により、システムを稼働したまま検出した問題点を修復できる。

 トランザクションNTFSは、一連のファイル操作やレジストリ操作が1つのトランザクションにグループとしてまとめられ、すべて成功するか、すべて失敗するかのいずれかをサポートする機能。トランザクションの途中でシステムに障害が発生しても、コミットが開始された作業のみがディスクに書き込まれ、完了していないトランザクション作業は戻される。

これまで導入が難しかったクラスタも、ウィザードを利用して簡単に導入できる
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