マイクロソフトは、プロの向けのコンテンツ制作ツール「Expression Studio」を2007年第3四半期にリリースする。2009年に国内でシェアトップを狙うという。
マイクロソフトは1月17日、プロのWebデザイナー向けコンテンツデザインツール製品群「Microsoft Expression Studio」を発表した。2007年第3四半期(7〜9月)の発売を予定するが、構成ツールの1つとなる「Expression Web」を2月16日に先行発売する。
Expression Studioは、同社初となるクリエーター向けの本格的なデザインツール群。Web作成ツールの「Expression Web」、WPF(Windows Presentation Foundation)アプリケーション制作ツール「Expression Blend」、デザイン作成ツール「Expression Design」、コンテンツ管理/動画エンコードツール「Expression Media」で構成されている。
Expression Webは、HTML 4.01/XHTML 1.1/CSS 2.1などに対応し、リアルタイムの文法チェック機能や属性入力時のプルダウン選択機能などを備える。Expression Blendは、WPFに対応した次世代アプリケーションをデザイナーが直感的に作成できる。XAML(eXtensible Application Markup Language)を介して、Visual Studioと連携が行え、デベロッパーとデザイナーのシームレスな開発環境を実現するという。
Expression Designは、Expression WebやExpression Blend向けのベクターグラフィックを作成でき、XAML形式でも出力可能だ。Expression Mediaは、100種類以上のコンテンツファイルを管理することができ、WPF用動画コンテンツのエンコード機能「Expression Mediao Encoder」も搭載している。
Expression Studioについて、デベロッパービジネス本部の市橋暢哉業務執行役員本部長は「Web標準と呼ばれるWeb技術資産を継承しつつ、ブラウザによらない次世代のユーザー体験を具現化させるものになる」と話す。
先行販売されるExpression Webの参考価格は、通常版が3万7800円(税抜)、アカデミック版が9800円(同)、アップグレード版が1万1800円(同、「FrobtPage」「Visual Studio」「Dreamweaver」「Contribute」「GoLive」「ホームページ・ビルダー」の正規ユーザーが対象)。また1月17日からExpression Blend、2月下旬からExpression Design、3月上旬からExpression Mediaのそれぞれの日本語β版を、同社サイトでダウンロード提供する。
7〜9月期に発売を予定する正規版では、Expression Studioのほかに、Expression BlendとExpression Mediaが単品で発売される見込みとなっている。
マイクロソフトは、プロ向けのデザインツール製品市場で2006年は9%程度のシェアにとどまっている(同社調べ)。新製品の展開によって、2009年にはシェア40%を確保し、トップシェア獲得を狙う方針だ。
市橋本部長は、「Vista環境の高品質なコンテンツプラットフォームのWPFに対応するデザインツールは、現時点ではExpression Studioのみで他社には無い。2009年にはPC用OSの約80%がWindows Vistaに移行すると見ており、この製品の存在感が高まることになるだろう。シェア40%は、ほぼ確実に狙える数字だ」と話している。
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