2007年新春特別対談 HP×Oracle:仮想化×グリッドが切り開く新境地は? 最強タッグが2007年を占う(2/2 ページ)

» 2007年01月22日 10時00分 公開
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2007年はIntegrityの安心感をローレンジにも

ITmedia HPのサーバ戦略を教えてください。例えば、今年、Integrityサーバはどのように強化・拡充していくのでしょうか。

松本 変化即応型の企業を実現するIT基盤として、われわれは「アダプティブインフラストラクチャー」を提供していますが、その核となるのは、高い信頼性を誇るIntegrityサーバとHP-UXの組み合わせです。何と言っても安心して使ってもらえるのが訴求のポイントとなっています。

 2007年は、こうした安心感をミッドレンジ以上だけではなく、購入しやすいローレンジにも拡大していきたいと考えています。また、昨年度からブレードサーバにも力を注いできましたが、この分野にも省電力と発熱量の抑制を実現したItaniumを採用していきたいと思います。

 ご存じのようにIntegrityサーバでは、WindowsやLinuxもサポートするわけですが、HP-UXを活用すれば、システムの運用をより堅牢にしていく際にメリットが得られると思います。

 例えば、セキュリティを取ってみても、HP-UXの環境では、Webアクセス管理ソリューションの「HP IceWall」ファミリーを活用することができます。IceWallは、日本HPが1990年代後半に開発したWebシングルサインオンソリューションで国内最大規模の導入実績があります。

 こうしたHP-UX環境のアクセス管理ソリューションとOracleの暗号化技術を組み合わせていくと、非常に堅牢で、かつ安心感のあるシステムを構築することができます。

 また、Windows、Linuxでも仮想化技術を活用できますが、そのメリットを最大限に享受できるのはHP-UXをベースとした仮想化技術、「HP Virtual Server Environment」(HP-UX/VSE)です。われわれは昨年6月、NEC、日立製作所と3社でHP-UX/VSEによって仮想化された環境で主要なミドルウェアとアプリケーションの組み合わせを動作検証する共同プロジェクトを開始しました。

 仮想化技術によってIT資源をフルに活用するといっても、効率性を重視するあまり、安定性が犠牲になっては元も子もありません。さまざまなベンダーが提供しているスタックを組み合わせてテストすることを顧客に強いるのも本末転倒です。われわれベンダーが動作検証を行い、仮想化環境でどんな振る舞いをするのかを調べ、顧客には安心して使ってもらえるようにするのが、3社共同検証プロジェクトの狙いです。

HPの仮想化技術とOracleのグリッド技術の融合

ITmedia Oracleにとって、2007年はどんな年になるでしょう。Oracle 11gのリリースも控えていますね。

三澤 今春には「Oracle Database 11g」のリリースも控えていますが、非常に重要な様々な機能強化がされてきます。「Oracle Fusion Middleware 」では、大幅にWeb2.0的なマッシュアップの技術も取り入れ、SOA(サービス指向アーキテクチャー)の開発環境として整備されるはずです。また、開発リポジトリを提供し、開発環境をより統合化することでシステムの脆弱性につながる開発を排除していくことも大きなコンセプトとなっています。

 また、アプリケーションの実行環境の継続性を考えたとき、データベース層だけでは十分ではないと考えています。データセンター内での障害対策であればデータベースをクラスタ化する Oracle Real Application Clusters(RAC)が非常に重要ですが、遠隔地のディザスタリカバリーサイトとの間では、データベースの災害対策に加えて、アプリケーションサーバ層のフェールオーバー機能も必要になります。

 われわれは、ミドルウェアスタックでも、そして開発環境でも統合化を目指していきますが、どのソリューションにせよ、HPの堅牢なプラットフォームやサービスが求められることに変わりはありません。堅牢なHPのプラットフォームと統合されたOracleのミドルウェアスタックをきちんと組み合わせて顧客に提供していきたいと考えています。

 IntegrityサーバとHP-UXを組み合わせたItaniumのハイエンドソリューションは、圧倒的な実績があり、高い価値を提供していますが、新しい技術、例えばHPの仮想化技術とOracleのグリッド技術の組み合わせによる実績、経験はさらに必要となってきます。

 われわれは昨年11月、HPをはじめとする主要なサーバ、ストレージ、ネットワークベンダーら14社と協業し、世界最大級のグリッド検証環境を備えた「Oracle GRID Center」を開設しました。HPとOracleの技術者が共同で検証を行うことで、IntegrityサーバとHP-UXを組み合わせたItaniumのハイエンドソリューションの価値をさらに高めていくのが、Oracleにとっても2007年の取り組みとなっています。

松本 HPの仮想化技術は、1台の大きなサーバを論理的にも物理的にも分割してその資源をフル活用できます。また、ローレンジのIntegrityサーバやブレードでスケールアウトさせることもできます。Oracleのグリッド技術と組み合わせたとき、性能や諸機能がどういう振る舞いをするのか、を日本の技術者が腑に落ちる形で検証するのはとても重要なことです。

 HP IceWallをはじめ、日本発でHP-UXが磨かれていった経緯もあります。Oracle GRID Centerでは、素晴らしい成果が生まれると期待しています。

三澤 こうしてお話をしていても分かるのですが、両社は最先端の技術に対して一緒に取り組んでいます。そして、HPは合併によって複雑化した自社のITを標準化し、仮想化技術を活用して、効率の良い、堅牢なものへと変えようと実践しています。

松本 HPは1996年に最後のメインフレームの電源を落としています。それ以来、年間の売り上げが900億ドルを超える企業がUNIXを中心とするオープンシステムだけで運営されているのです。そして、また今回、10年前に匹敵する変革に取り組もうとしています。われわれは、自社で検証、経験したものを提供していくことを継続していますが、今回の変革はその姿勢の表れです。

 2005年にマーク・ハードがCEOに就任して以来、両社の緊密な関係はさらに深まっています。それは、Oracleのラリー・エリソンCEOがItaniumを搭載したIntegrityサーバにコミットしてくれたことに表れています。われわれもさらにItaniumにコミットして、2007年をエキサイティングな年にしたいと思います。

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