中堅規模向けサーバOSも登場――"Longhorn" のロードマップWindows Server "Longhorn" 徹底研究(2/2 ページ)

» 2007年01月19日 08時00分 公開
[敦賀松太郎,ITmedia]
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中規模向けのOSが登場

 現行のWindows Server 2003は、大規模データセンター向けにサーバベンダー経由で提供される「Datacenter Edition」から、Webサーバ構築専用の「Web Edition」までの幅広いラインアップになっている。Longhornでのエディション構成は、現時点において詳細は明らかではないが、GUIを含まない単機能サーバを構築するための新機能「Server Core」が含まれていることからも、より幅広いエディションが用意されそうだ。

 その一方で、小規模システム向けに提供されてきたWindows Small Business Serverよりも規模の大きい中規模システムをターゲットにした「Windows Server "Centro"」も登場する予定。この製品もLonghornのカーネルをベースにし、最大500ユーザー程度のシステムを運用する上で求められるExchange Server 2007や運用管理製品「System Center」などがサーバ機能があらかじめ搭載される。製品構成としては、Windows Small Business Serverに似たものになるが、Active Directoryを限定的にしか利用できないWindows Small Business Serverに比べ、CentroはActive Directoryと高度に統合される。また、すべてのサーバ機能が物理的なサーバ1台に集約されるWindows Small Business Serverとは異なり、複数サーバでの展開も可能になると見込まれている。

 Windows Small Business Server "Cougar"、およびWindows Server "Centro"は、Windows Server "Longhorn"の出荷開始後6カ月から1年以内に登場するという。

サーバ仮想化を推進する新機能

 サーバ仮想化は、散在する部門サーバのコンソリデーションや従来資産の運用、ITコストの低減、システム運用管理の単純化などのメリットで注目されるソリューションである。Intel VTやAMD-Vなどハードウェアベースで仮想化をサポートするプロセッサが主流になるとともに、本格的な導入も始まっている。

 マイクロソフトも、米コネクティクスからVirtual PCの技術を買収して以来、仮想化を実現する製品を提供しており、現在はWindowsのオプション機能という位置付けで、Virtual Serverが無償で提供されている。ただし、現行のVirtual Serverは、あくまでもホストOS上に仮想マシン環境をエミュレートするものであり、実際のCPUやメモリを複数の仮想OSによってパーティショニングして利用するものではない。

 そこでマイクロソフトは、現行の仮想化技術をさらに強化し、ハイパーバイザ技術による仮想化を実現する「Windows Server Virtualization」の投入をWindows Server "Longhorn"に合わせて予定している。これは、2006年に発表されたオープンソースの仮想化技術「Xen」を提供する米ゼンソースとの提携の成果でもある。従来のVirtual Serverでは仮想マシン上にWindowsのみゲストOSとしてインストールできた。しかし、ホストOS上ではなく、ハードウェア上に直接仮想マシンを配置できるハイパーバイザにより、仮想化環境はより安定・高速に稼働する。なお、XenがサポートするLinuxディストリビューションに関しても、ゲストOSとしてサポートされる予定だ。

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