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» 2007年02月26日 17時23分 公開

マイクロソフトが高崎市に8番目の国内拠点を設置、400社のパートナー化を目指す

マイクロソフトは2月22日、群馬県高崎市に国内で8つ目となる支店の開設を行った。PLAN-Jに基づき、地域に根ざしたIT活性化を狙うが、その施策の内幕とは?

[柿沼雄一郎,ITmedia]

 マイクロソフトは2月22日、群馬県高崎市に国内で8つ目となる支店の開設を行った。

 同社では2006年4月に地域拠点の名称を「営業所」から「支店」へと変更、すでに日本全国において7つの支店展開を行っている。

マイクロソフトの地方拠点
支店名 所在地 開設年
北海道支店 北海道札幌市 1995
東北支店 宮城県仙台市 1996
首都圏支店 東京都渋谷区 2002(当時は関東甲信越支店)
中部北陸支店 愛知県名古屋市 1993
関西支店 大阪府大阪市 1992
中四国支店 広島県広島市 1998
九州支店 福岡県福岡市 1994

 22日に開設となった北関東支店は、2002年に東京・渋谷区の国内本社内に設置された関東甲信越支店の担当地域から、群馬、栃木、新潟、長野の4県を引き継いで担当する。また、関東甲信越支店は同日より新たに首都圏支店として引き続き活動を行っていく。

支店が担う役割とは

 ダレン・ヒューストン氏が率いるマイクロソフト日本法人は、ヒューストン氏の社長就任直後から日本市場への取り組みを表す「PLAN-J」施策を展開してきた。同施策では、日本での投資拡大、技術革新の投入と促進、そして政府・教育機関および産業界との密接なパートナーシップを柱にして、北米に次いで大きな市場である日本により多くのリソースを配置して全社的な取り組みを行ってきた。その中で、特に国内の中小規模事業所に向けた「全国IT推進計画 2007」では、中小企業のデジタルディバイド解消およびITの利活用による市場の活性化を目指し、「経革広場」といった中小規模事業向け情報提供Webサイトの開設やキャラバンバスによるテクノロジーデモ、セミナー開催といった活動を続けている。

 「PLAN-Jにおいては、投資面のみならずパートナーとの関係強化、顧客との密接な関係を築くといった観点からも支店の強化が重要」とヒューストン氏は述べる。

ヒューストン氏 北関東支店の開設に笑みを見せるダレン・ヒューストン社長(当日記者会見にて)

 では、なぜこの地なのか? 「北関東の経済規模は、オーストリアやスウェーデンといった国のGDPにも匹敵する」とヒューストン氏。また、各地域における支店統括を担当する同社執行役専務の眞柄泰利氏は、「前もった調査では、この地域におけるIT投資は年々増加傾向が見られ、潜在的な需要が見込める」と地元経営者層のITリテラシーの高さを強調。さらに、上越および信越方面への分岐点であり、新幹線も停車する高崎駅から徒歩1分という利便性もポイントのようだ。

眞柄氏 「立地条件も良く、設備も申し分ない」と高崎支店を評価する眞柄泰利執行役専務

 北関東支店の支店長を務める星加悟氏は、「現在の北関東地域における年平均売上成長率である25.6%は最低限維持、30%を目標として10年後には現在の10倍の売り上げを目指す」と言う。そのためには、認定パートナーの数を現在の246社から一年で400社へ引き上げると意気込む。「われわれのパートナーには資格をとってもらう制度がある。この資格を持ったパートナーへの志向性(=発注)が顧客の間に見られるという統計も出ている。これにより地域のIT底上げを狙う」と眞柄氏も応援する。

星加氏 「ベンチャー企業などにも積極的にアプローチしてパートナー獲得にまい進する」と星加悟北関東支店長

挫折の経験を経て

 しかし、同社は順調に支店展開を続けてこれたわけではない。「1998年の中四国支店を最後に、エリアをカバーするという営業所の役割が変化してきた。2001年にはマイクロソフトとしてエンタープライズビジネスへのシフトやIT業界全体の縮小傾向によって、営業所展開から撤退という意思決定もあった」と、眞柄氏は厳しい時期を振り返る。そんな中、ヒューストン氏のPLAN-Jによって地域ビジネスへの投資が再開された。

「PLAN-Jに含まれた支店拡大の方針は嬉しかった。全営業所撤退の決定を知らされた時のことを思うと、今回の支店開設は感慨深い」と眞柄。

 また、支店という考え方へのアプローチも改めたとヒューストン氏は言う。従来は手狭な「営業所」であったが、新しい「支店」モデルでは空間的な広さを確保し、設備も可能な限り東京本社と同じレベルを維持。パートナーが利用できる検証環境(ラボラトリー)や、技術トレーニングやセミナーのためのミーティングルームといった社員以外でも利用できるスペースの設置に務めている。「顧客に対して、パートナーとともにソリューションをアピールする場所として支店を利用できることが、(ソフトウェアベンダーとしての)差別化への強みになっていくだろう」とヒューストン氏。また眞柄氏も、「全国IT推進計画のほぼ完成形の活動ができる」と自信を持つ。

 マイクロソフトでは、2007年末までにさらに3つの支店を開設する方針。6月4日に北陸支店(石川県金沢市)、6月25日には四国支店(香川県高松市)、そして12月には沖縄支店(沖縄県那覇市)を開設する予定。各地域における顧客との交流やパートナー企業との協業、人材育成による産業振興など、地域に根ざした企業活動の拡大を狙っていく。いかに地域の企業や市民の理解を得て、相互のメリットを保ちながら共生していくことができるかが大きな鍵となるだろう。

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