Teamprise、EclipseとCodePlexコミュニティーの橋渡し役を担う

Teampriseは、「Teamprise Client Suite」を介してMicrosoftのオープンコミュニティーサイト「CodePlex」を利用したいと考えている開発者に向けて、同スイートのライセンスを無料提供するという。

» 2007年03月23日 16時25分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 「Eclipse」およびUnixベースのプラットフォームから、「Microsoft Visual Studio 2005 Team Foundation Server(TFS)」にアクセスするための人気の高いアプリケーションスイートを開発しているTeampriseが、「Teamprise Client Suite」を介してMicrosoftのオープンコミュニティーサイトを利用したいと考えているソフトウェア開発者に、同スイートのライセンスを無料提供することになったと発表した。

 識者らは、オープンソース開発コミュニティーのEclipseとMicrosoftの新たなオープンコミュニティープロジェクトの結びつきを強めるという点で、同社の取り組みには大きな意義があると評価している。

 Teampriseは、Visual Studio統合開発環境(IDE)の外部からMicrosoft Visual Studio 2005 TFSへアクセスする際に用いる、クライアントアプリケーションスイート。同製品を利用することで、ソフトウェア開発チームはソース管理を行ったり、Eclipse IDEやLinuxおよびMac OS Xといったほかのオペレーティングシステムから、TFSの作業項目トラッキング機能やドキュメント/リポート作成機能を使ったりできるようになる。イリノイ州シャンペーンに拠点を置くTeampriseは、SourceGearの子会社だ。

 Teampriseの上級ソフトウェア開発者であるマーティン・ウッドワード氏は、「こうした製品を提供するようになったきっかけは、実に単純なものだった。あるとき、プロジェクトを『CodePlex』へ移したいが、一部の開発者がWindowsを使用していないためにできないケースがあるという話を耳にしたのである。そこでわれわれは必要な技術を開発し、可能な限り多くの人々にこれを開放することにした。Teamprise自身も、Eclipseプロジェクトを筆頭に多数のオープンソースプロジェクトを活用しており、オープンソースプロジェクトに携わるすべての開発者にTeampriseの無料ライセンスを供与することは、倫理的にも正しい行いだと自負している」と述べた。

 MicrosoftでVisual Studio Team Systemのグループ製品マネージャーを務めるイアン・ノックス氏は、「さまざまな開発プラットフォームからTeam Foundation Serverへのアクセスを確立するため、Teampriseはわれわれのエンジニアと密に協力し、Visual Studio Team Systemの戦略的パートナーとして重要な役割を果たしている。このたび同社がそうした役割を拡大し、オープンソースプロジェクトにCodePlexを利用する開発者コミュニティーを支援することになり、われわれも喜んでいる」と話している。

 また、MicrosoftのCodePlex担当製品部門マネジャーのジェームズ・ニューカーク氏は、「CodePlexサイトでは、技術プラットフォームの種類にかかわらず、あらゆるオープンソースプロジェクトをサポートしている。Teampriseの今回の取り組みにより、開発者はEclipse IDEやLinuxもしくはApple Macintoshなどから、CodePlexに直接アクセスすることが可能になった。コミュニティーがこのチャンスをどうやって生かし、どのような新プロジェクトを生み出すのか、期待を込めて見守りたい」とコメントした。

 ウッドワード氏が執筆しているブログには、「われわれのオファーを真っ先に受けてくれるのは誰なのか、どのプロジェクトがCodePlexを新たな開発拠点とするのか、今から非常に楽しみだ。オープンソースプロジェクトのホスティング先に別の選択肢が加わるのは、素晴らしいことだと考えている。個人的には、CodePlexのサービス内容を気に入っており、定期的に新機能がリリースされる点も評価できると思う」と書かれていた。

 Teampriseの無料ライセンスを希望するCodePlexユーザーに向けた詳細情報は、同社のWebサイトに掲載されている。ライセンスを取得すれば、CodePlexユーザーはTeampriseのバージョン2.1に実装されている全機能を利用できるという。

 ウッドワード氏は、「CodePlex担当チームと話し合った結果、多くのオープンソースプロジェクトがCodePlexを開発拠点として利用したがっているが、開発者の一部がLinuxやMacを使っているためにそれが不可能になっていることが分かった。われわれの願いは、こうした障壁を取り除くことである。CodePlexが人気のあるVisual Studio Team Foundation Serverに基づいている点を考慮して、同オープンソースコミュニティーの開発者には、われわれが企業に販売しているのと同じツールを提供することにした」と、Teampriseの取り組みをまとめた。

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

注目のテーマ