Windows Mobile 6の登場で、SmartphoneとPocket PCは過去の名前に（2/3 ページ）

[Peter Pawlak，Directions on Microsoft]

• Windows Mobile Standardデバイス：Windows Smartphoneの後継で、タッチスクリーンを搭載しない（Motorola Qなど、一部のデバイスはQWERTYキーボードを備える）。
• Windows Mobile Classicデバイス：電話機能がないPPCデバイスの後継。このデバイスはタッチスクリーンを搭載するが、電話機能付きの機種に押されて廃れつつある。

　ユーザーから見ると、StandardとProfessionalの機能はほとんど同じであり、詰まるところ、両者の主な違いはユーザーインタフェースだ。前者ではすべての操作でキーを押す必要があり、後者はタッチスクリーンで操作できる。

　このように、Windows Mobile 6デバイスの各タイプは似たものだが、このプラットフォームのSDKは2つ用意されている。タッチスクリーンを搭載しないデバイス（Standard）用と、搭載するデバイス（Professional、Classic）用だ。開発者は、どちらかのデバイスをターゲットにアプリケーションを作成しなければならない。また、Windows Mobile 5と6はいずれもWindows CE 5.0をベースにしているため、Windows Mobile 5デバイス向けに開発されたアプリケーションは、ほとんどの場合、対応するデバイスタイプの後継タイプのWindows Mobile 6デバイス上で動作する。

　Windows Mobile 6デバイスのハードウェア要件は、Windows Mobile 5デバイスから変わっていない。このため、理屈の上では、ほとんどのWindows Mobile 5デバイスは、Windows Mobile 6にアップグレードできるはずだ。しかし、Microsoftは、Windows Mobile 5から6へのアップグレードソフトウェアを提供するデバイスメーカーから、アップグレードロイヤリティを徴収しない方針を示しているが、にもかかわらず、アップグレードソフトウェアの提供を表明している企業はほとんどない。これは、サポートコストがかかることが1つの理由だ。

　また、新しいデバイスを販売したり、あるいはこのアップグレードを目玉にして、顧客にサービス契約の更新を促すためでもあるだろう。アップグレードソフトウェアが提供されるデバイスの1つとして、比較的新しいT-Mobileの「Dash」 Smartphoneがある。

開発者とIT担当者向けの新機能

　企業やソフトウェア開発者は、Windows Mobile 6の以下の新機能に興味を引かれるだろう。

権限管理のサポート
　Windows Mobile 6は、MicrosoftのRights Management Services（RMS）をサポートしている。このため、Windows Mobile 6デバイスでは、RMSで保護された電子メールメッセージや添付ファイルなどのコンテンツは、適切な権限を持っているユーザーだけが開いたり操作したりできる。

強化された証明書サポート
　Windows Mobileの従来のバージョンと比べて、Windows Mobile 6では、サーバに対してデバイスを認証したり、情報を暗号化したりするために使われるデジタル証明書のサポートが大幅に強化されている。Windows Mobile 6は証明書インストーラと多くのルート証明書を搭載し、さまざまな証明書形式に対応している。また、証明書が、高い信頼レベルを必要としない個人用ストアにインストールされるようになったため、ユーザーは特別な署名プログラムを使わなくても、証明書をインストールできる。また、ユーザーは自分のデバイスから証明書を登録でき、ActiveSyncがそれらを証明書サーバから取得するようになっている。