ITmedia 法人のモバイル市場は今後どのように広がるのでしょうか?
真藤 市場全体をみることのできる調査がないので、現状がどのようなものかは分かりません。しかし確実に言えるのは、間違いなくモバイルに関心を持つ企業が増えているということです。特に先ほどお話した、営業やマーケティングといった攻めの経営に活かしたいという声が強い。毎日の企業に対するヒアリングでも、そのようなニーズを数多く聞きます。
内部統制やセキュリティへの対応でも、今後は携帯電話の役割がますます高まっていくでしょう。企業のコンピューティング環境がデスクトップPCからノートPCへと移ったように、ノートPCが携帯電話に移っていく可能性があります。
情報を守るためにノートPCを社外に持ち出せないというケースが増えています。サーバへのアクセスや業務情報を保護する仕組みが携帯電話で整いつつあり、端末の高性能化も進んでいるので、携帯電話が主役になる日が来ると考えています。
ITmedia 今後どのようなモバイルサービスを考えられていますか?
真藤 いろいろな可能性がありますが、1つにはモバイル環境に適した情報の見せ方というテーマがあります。「携帯電話の小さな画面で仕事ができるのか」というような意見がありますが、モバイルがビジネスに欠かせないツールとなるのは明らかです。
携帯電話に表示する情報の多くは、PC向けの内容を携帯電話向けにアレンジしたものが多く、ユーザーにとっても使い勝手が良くない。しかし携帯電話向けに作り込んでいくのも大変な作業です。
PC向けの情報の見せ方を「単行本」に例えるなら、我々が目指す見せ方は「電車の中吊り広告」でしょう。中吊り広告は、何がトピックスなのかが一目で分かります。
モバイルでもいかに早く、効率的に必要な情報を手にできるかがカギを握ります。エンドユーザー向けの情報でも業務に必要な情報でも、モバイル環境において最も上手く機能する情報の見せ方に取り組んでいます。
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