元ベテランエンジニアが繰り出す妙技――経営を変えるITCITコーディネータ徹底活用術(1/2 ページ)

良いITコーディネータ(ITC)を見つけたければ、とにかく会ってみること。知識、経験ともに豊富で、幅広いネットワークを持つ人が良い。しかし、経営者にとって本当に欲しい良きITCの資質はもっと深いところにあるようだ。

» 2007年04月04日 07時00分 公開
[大西高弘,アイティセレクト編集部]

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頼れる存在とは分かっていても…

 ITコーディネータ(以下ITC)の有資格者は約7200人(06年12月現在)。その中の約75%が企業や団体組織などに所属しており、個人事業主など独立した形態で活動している人たちは約25%となっている。参照記事

 実際にITCがあげている成果は数多くあり、資格の普及を図っているITコーディネータ協会が作成している資料でもそれを垣間見ることはできる。しかし結局はITベンダーと結託して高いシステムを売りつけるのではないか、という疑念がすべて消え去るものでもない。

 SI企業などに属しているITCはもちろん、個人で独立して活動しているITCにしても、背後に特定のベンダーなどがついているのかもしれないと、つい考えてしまうこともあるだろう。

 ITCには倫理憲章があり、特定の第三者に利益を供与する動きをとってはならない。しかしそこをうまくごまかされたら、という心配が生じるのも無理からぬことだ。何しろ一旦導入が決まれば、数百万円から数億円の資金が必要になるのだから。

会って、話して、確かめる

 信用できるかできないか、自社の経営の利益をもたらしてくれるか、否か、は経営者自身が会って話してみて判断するのが一番良い方法だろう。

 ITCによって異なるが、契約をする前段階で話をする場合はITCにとっても「営業活動」としてとらえるケースが多いので、弁護士などと会うのとは違って料金は無料か、払ったとしても大金を支払う必要はないようだ。いずれにしても事前に確かめておけばよい。

 「経営者との話し合いは毎回真剣勝負です」と語るのはITCの田中渉氏。氏はITコーディネータ多摩協議会会長で、NPO首都圏南西経営応援隊の副理事長を務める。田中氏はこれまで多くの会社にITCとして関わってきたが、そこで得た教訓はとことん経営者の話を聞くことが、問題解決の必須条件だということだ。

 「経営者だってどこが問題なのかはっきりとはつかめていないのに、われわれがすぐに分かるはずがない。まず真摯に耳を傾けること、すぐに結論づけないこと、これが鉄則です。若いITCの指導もしていますが、この鉄則は常に話しています」(田中氏)

ITコーディネータ多摩協議会会長 田中渉氏
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