WiMAXの未来はどうなるか、インテルが講演(2/2 ページ)

» 2007年04月10日 16時03分 公開
[ITmedia]
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ケータイとの融合

 すでに次世代モバイルWiMAXの規格化も進んでいる。現在の802.16eは、固定WiMAXの規格をモバイル用途に拡張された。次世代規格は「802.16j」「802.16m」と呼ばれ、16jは2006年第2四半期から規格化作業が始まっている。16jは16eを見直すもので、モバイルWiMAX機器の低コスト化や接続性を高めることを目標に2007年第4四半期の規格化を目指している。

 また、16mは2007年1月が規格化が始まったばかりで、「第2世代モバイルWiMAX」とも呼べる次世代規格に位置付けられるものだ。16eは最大で時速120kmの移動環境に対応するが、16mでは時速350km以上の移動環境に対応することが目標になる。16eは在来線の特急列車までしか利用できないが、16mなら新幹線でもスムーズに利用できるといったイメージだろう。

異なる技術発展を遂げてきた携帯電話と無線アクセスサービスが第4世代で融合するかもれない

 一方、携帯電話は「3.9世代」と呼ばれる数Gbpsクラスの通信速度を目指す次世代規格で、モバイルWiMAXと同様のMIMOやOFDMAの採用が検討されている。モバイルWiMAXと技術ベースが統一されることで、「第4世代」携帯電話ではモバイルWiMAXとの融合が理論的には可能になる。

 庄納氏は、「携帯電話とWiMAXは別々に進化を遂げてきたが、今後も別々に進んでいくというのは大きな疑問だ。ユーザーにとっては両者の融合がメリットになる。携帯電話とWiMAXの融合について、業界の議論を期待したい」という。

日本のWiMAXとインテルの展開

 日本では、総務省が2.5GHz帯の電波をモバイルWiMAXに割り当てるを見られており、通信会社を中心に多くの企業が商用化を検討している。しかし、2.5GHz帯の前後の帯域は衛星通信の「N-Star」とモバイル放送の「MBSAT」が割り当てられており、ガードバンドの運用についての議論が今なお続いているという。

 総務省は、7月頃をめどにWiMAXに割り当てる周波数帯域や事業免許方針を正式に発表すると見られている。このスケジュール通りであれば、10月にも事業者認定が行われ、2008年後半に商用サービスが始まる。

インテルが計画するモバイルWiMAX製品のロードマップ

 今後、インテルはモバイルWiMAXに対応したチップセットやWiFiとモバイルWiMAXに両対応したモジュールを2008年に投入するという。これにより、ノートPCやモバイルPC、ポータブル音楽プレーヤーなどのデバイスで、モバイルWiMAXを利用できるようになる。

 また2008年以降に、次世代モバイルWiMAXやWiFi、携帯電話ネットワークなどの多彩なワイヤレス通信サービスに対応したチップセットの開発を目指すという。

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