バックアップは「かけがえのないデータ」だけでよい?わが社のビジネス継続性を確立する!(2/2 ページ)

» 2007年04月17日 08時00分 公開
[岡田靖,ITmedia]
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実態に合わない計画があれば改善を

 BCPにおいて重要なのは、計画を立案し、実行することではない。その計画を実施した後に評価を行い、計画の修正を進め、事業継続の取り組みを改善していくことにある。いわゆるPDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルこそが重要なのだ。

 現代はビジネスやシステム自体の変化が早く、ビジネスのインパクトポイントも変動している。もちろん、単に現場の実態に合わない計画が立てられてしまうこともあるだろう。こうした実態に合わなくなった計画については、無理に現場で計画通り実行するのでなく、計画にフィードバックして反映させることが望ましい。BCPにおいては、現場の声を計画担当者に反映させる情報ルートも不可欠なのである。もちろん、この「下から上へ」の情報の流れは、BCPに限った話ではない。ISO化された多くのマネジメントプロセスを見てみれば分かる通り、その根底には必ずPDCAサイクルとその情報流通の基準が盛り込まれている。BCPでの取り組みも、他のマネジメントプロセスの導入や改善に役立つ可能性は高い。

 BCPは災害や障害が発生してこそ役に立つ性格を持っている。そのため、継続的な取り組みを行っていても、直接の効果はなかなか出てこない。しかし、一時的な付け焼き刃の災害対策などではすぐに綻びが出てしまい、いざというときに役に立たない可能性が高い。そして災害後、BCPに取り組んでいた企業、そうでない企業の評価が分かれてくるだろう。

 もちろん、災害をBCPで切り抜けた企業は、災害時の体験を計画にフィードバックして、さらなる事業継続能力の向上を図ることができるはず。長期的に見れば、その取り組みが株主や顧客、取引先に評価され、企業価値の向上に繋がるだろう。

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