ビジネスの多様化を進めるデル――エンタープライズ事業の拡大へ

デルは4月16日、同社2008年度のエンタープライズ事業戦略について発表し、報道陣に対し説明を行った。ビジネス分野の多様化を進め、特にエンタープライズ分野およびサービス分野に注力するという。

» 2007年04月17日 07時00分 公開
[石森将文,ITmedia]

 デルは4月16日、同社2008年度のエンタープライズ事業戦略について発表し、報道陣に対し説明を行った。

デル 代表取締役社長 ジム・メリット氏

 冒頭挨拶に立ったデル 代表取締役社長 ジム・メリット氏は「ただハードウェアを販売するだけでなく、“デル2.0“を掲げ顧客に対しより付加価値あるサービスを提供する」と述べた。日本市場におけるフォーカス分野としては、「エンタープライズ」「サービス」「ソフトウェア/周辺機器」「コンシューマ」の4つを挙げ、中でも2008年度は、エンタープライズ分野(サーバ、ストレージ製品等)およびサービス分野(サポートサービス等)に注力するとした。

 続いて説明に立ったデル アドバンスト・システムズ・グループ本部長 町田栄作氏は、「各企業の独自技術を市場に出していくのではなく、業界のオープンかつ標準化された技術をユーザーに提供するという流れを、エンタープライズ分野でも強く進めていく」とし、特に「ミッションクリティカル分野におけるオープン化への流れは加速する」と述べた。

デル アドバンスト・システムズ・グループ本部長 町田栄作氏

 また町田氏は、最適なソリューションデプロイメントと管理を提供するアプローチとして、「スケーラブル・エンタープライズ戦略」を提示した。これは「運用の簡素化/ソリューションの最適化/価値の最大化」をキーワードとし、顧客のニーズに応えうる、極めて弾力的なサービスであるという。

スケーラブル・エンタープライズを実現するソリューション構成

 加えて、スケーラブル・エンタープライズ戦略を実現する前提として、業界の100を越える標準化(規格)団体にデルが参画していることおよび、先日のオラクルとの提携強化に代表されるような戦略的なパートナー戦略を推進すると明らかにした。

 サービス分野への取り組みについては、デル ソリューション・サービス・デリバリー本部長 諸原裕二氏が説明を行い、製造時にハードウェア/イメージ/アプリケーション等をある程度構成することで迅速な納品を実現する「デプロイメント・サービス」と、ITインフラのコアシステムに特化しアセスメント/設計/インプリメンテーションを行う「プロフェッショナル・サービス」に注力すると述べた。

デル ソリューション・サービス・デリバリー本部長 諸原裕二氏
デルのサービス事業。特にデプロイメント・サービスとプロフェッショナル・サービスに注力する

 なお同社では、「エンタープライズ」「サービス」「ソフトウェア/周辺機器」の事業分野では「コンシューマ」分野よりも高い売上成長率を目指すという。特にエンタープライズ分野とサービス分野に関しては、それぞれ年率10〜15%(市場の伸びの1.5〜2倍)及び30〜50%(市場の伸びの3倍程度)の成長が目標であるとした。

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