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» 2007年04月18日 08時46分 公開

グローバルで戦うために:中国、韓国が欲しがる「見えない資産」――ニッポンのマネジメント力 (1/2)

バブル崩壊以降、日本企業の中から自らの「マネジメント力」を誇る声はあまり聞かなくなった。しかし、モノづくりを中心として日本企業のマネジメント力に注目する国は多い。高い評価に安住することなく、蓄積したノウハウを体系付け、ITによって誰もが活用できる仕組みに変えていく必要がある。特に高いレベルのノウハウを持つ中小企業のIT化にはITコーディネータが大きな役割を果たす。

[大西高弘,アイティセレクト編集部]

本記事の関連コンテンツは、オンライン・ムック「あなたの会社の名医を探せ! ITコーディネータ徹底活用術」でご覧になれます


付加価値が苦手な日本のIT

 総務省の調査によると、日本、米国、韓国のユーザー企業の中で、自社に導入したシステムに対して「十分に役に立っている」という回答が最も少ないのは日本だという。満足度の高いシステムを構築するには、自社の業務から視点だけでなく、ITからの視点を持つことが重要で、そうした視点を獲得するための助けとなる存在がITコーディネータ(以下、ITC)である。参照記事

情報化投資効果・日米韓比較 出典:総務省『企業のICT活用現状調査』(Web調査 2005年)

 この結果には、いろいろ見方ができるだろう。「日本のユーザーは他の国に比べて、システムの完成度に対して非常に厳しい目を持っている。こうした国民性のようなものも結果に影響しているのではないか」という意見も当然あるだろう。また、各国のビジネスとITに対する考え方や経済環境などの影響も見逃せない。

 しかし、ITコーディネータ協会の関隆明会長は、次のように語る。

 「私もITベンダーの社員として韓国企業のシステム構築を手がけたことがあります。彼らは要求のレベルも高いし、求めるスピードも非常に早い。一方、日本のITは、道具オリエンテッド、つまりまず道具ありき、ソフトありき、という発想が強かった。それは日米韓でのIT投資効果を比較してみると、よく分かる。コスト削減や業務効率化などの項目では米国をしのぐところまできたものの、高付加価値をつけるという点では、米国、韓国にかなり後れを取っています」

 つまり日本よりも低いレベルのシステムに対して、「大いに満足している」ということでは決してないのである。また関氏によるとITCという存在に対しても韓国、中国は非常に興味を持っているという。

 「中国のある大学でITCをテーマにした講演をしました。そうすると彼らは『ITCを中国でも作りたい、どうすればいいですか』と熱心に尋ねてくるのです。こうした反応は韓国も同じでした」(関氏)

 アジア各国は日本の作り上げたIT関連のスタンダードに対して非常に関心が高い。例えば、IPAが策定したITスキル標準も、アジア各国から「ぜひ導入したい」と関心が寄せられているという。

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