オラクルの組み込みデータベース戦略――Database Solution DaysリポートオラクルDBの新潮流

日本オラクルは4月12〜19日の5日間、Database Solution Daysを開催した。最終日となった4月19日は「次世代サービスを支える組み込みミドルウェア・ソリューション」と題し、オラクルの組み込みデータベースへの取り組みが事例を交えながら紹介された。

» 2007年04月20日 07時00分 公開
[ITmedia]

 日本オラクルは4月12、13日、17〜19日の5日間にわたり、都内ホテルにてDatabase Solution Daysを開催した。

 最終日となった4月19日は「次世代サービスを支える組み込みミドルウェア・ソリューション」と題し、オラクルの組み込みデータベースへの取り組みが事例を交えながら紹介された。

 はじめに、アイ・ティ・アールのシニア・アナリスト三浦竜樹氏から、組み込み市場の概要について解説された。

 今、組み込み機器には高度な機能が求められている。アプリケーションとデータ管理層を分離することで開発コスト削減と信頼性向上を実現できる組み込みデータベースの需要は高まるだろう、と予測した。

アイ・ティ・アール シニア・アナリスト 三浦竜樹氏

 次に登壇した日本オラクル Embeddedビジネス推進部の竹爪慎治氏は前述の三浦氏の話を受け、組み込みシステムの現状について、「サービスの高度化・端末の高機能化により、徐々に組み込みデータベースに移行しているフェーズ」であるとし、組み込みデータベースが注目を集めつつある製品であると説明した。

日本オラクル Embeddedビジネス推進部 竹爪慎治氏

 また、竹爪氏はオラクルの組み込みデータベース製品を3点紹介した。オラクルでは、組み込みデータベースを機能とリソースによって「省リソース機能特化型」「高機能型Embedded DB」「バランス型」の3つのカテゴリに分けており、それぞれに対応する製品を販売している。

 省リソース機能特化型は「Oracle Berkeley DB」、高機能型Embedded DBは「Oracle TimesTen In-Memory Database」、その中間となるバランス型では「Oracle Database Lite」が用意され、各カテゴリをカバーするという。

 竹爪氏は「組み込みデータベースは、技術的にはすでに適用可能な状況にある」としながらも「これから組み込みデータベースを入れればよい、というのではなくビジネスとして確立させるためのプラスαが必要」と語った。オラクルではこの回答として、データ管理とネットワーク連携を中心としたトータルなソリューションと組み込みビジネス専門チームによるグローバルな支援体制を挙げている。

 最後に、東京エレクトロンデバイス CN事業本部 ソリューション事業部の丸山松弥氏から、TimesTenの活用事例が紹介された。

東京エレクトロンデバイス CN事業本部 ソリューション事業部 丸山松弥氏

 丸山氏は電話通信ネットワークでの事例に依拠しつつ「組み込みデータベースは開発アプリケーションの一部。カタログスペックはあくまで参考とし、実際のものに近い環境での検証は必須」とプロジェクト成功の心得を説明した。また、ベンダー・代理店にプロジェクトメンバーとして参画してもらうことが大事であるとし、それによりタテ割りの管理を脱却し、システム全般をカバーするサポート体制を作ることが求められると語った。

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