ミッションクリティカル領域のブレードサーバは、何が違うのか(1/4 ページ)

4月18日、日本HPはブレードサーバ新製品「HP Integrity BL860c Server Blade」に関して、セミナーでその詳細を紹介した。

» 2007年04月23日 07時23分 公開
[岡田靖,ITmedia]

 これまで、HPのブレードサーバは「Proliant」ブランドを冠していたが、HP Integrity BL860c Server Bladeは初の「Integrity」ブランドとなった。HPが「第3世代ブレード」と呼ぶ「HP BladeSystem c-Class」の中でも、BL860cは大きな意義を持つ存在だ。今回のセミナーは、BL860cをはじめとするc-Classブレードがユーザーにもたらすメリットを紹介する内容であった。特に、その仕様が詳しく語られている後半の2セッションをもとに、概要をまとめてみた。

ミッションクリティカル対応サーバをブレード化

 BL860cは、同社のUNIXサーバ「Integrity」シリーズの特徴を生かしつつブレード化された製品だ。日本HP エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 ビジネスクリティカルサーバ製品本部 サーバプロダクトマーケティング部 部長の森成隆氏は、UNIXサーバとしての信頼性や可用性を中心に解説した。

日本HP エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 ビジネスクリティカルサーバ製品本部 サーバプロダクトマーケティング部 部長 森成隆氏

 「Integrityサーバの特徴は、可用性を重視したアーキテクチャー、Itanium2のパフォーマンス、HP-UXの高い運用実績などにあります。この高信頼性サーバが、BL860cでブレードの形となりました。低価格・省電力なブレードサーバでありながら、ミッションクリティカルな分野に対応でき、データベース運用に最適な製品と言えるでしょう」

IntegrityサーバにおけるBL860cの位置付け

 森氏は、高信頼性を実現するハードウェア技術として、Itaniumのキャッシュセーフ技術、HP zx2チップセットに搭載されたダブルチップスペアリングメモリや内部バスのエラー訂正など各種のエラープロテクション機能を挙げた。

 ダブルスチップペアリング機能はHPの特許技術で、1つのメモリ基板上で2つのDRAMチップに障害が発生してもシステムの稼働を維持できる機能だ。障害が1つのチップだけなら冗長性は維持されるため、急いでサーバを停止して交換するような必要はない。計画停止を減らして稼働時間を伸ばせるというわけだ。

 「なお、他社には、同程度の信頼性を実現するメモリミラー機構を採用したサーバもありますが、冗長化のためにミラーリングを行っている都合上、メモリやバス帯域の利用効率は半減してしまい、メモリのコストも高くつきます。ダブルスチップペアリング機能がブレードサーバに搭載されているというのは、大きな意味を持つと言えるでしょう」(森氏)

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