Sun、ハードとソフトのパッケージでVOD/IPTV分野に進出(1/2 ページ)

Sunは、ビデオオンデマンド(VOD)市場に進出するべく、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせたパッケージシステムを提供する。

» 2007年04月27日 09時30分 公開
[Scott Ferguson, Chris Preimesberger,eWEEK]
eWEEK

 Sun Microsystemsがビデオオンデマンド(VOD)市場に進出する準備を進めている。同社では、IPTVを顧客に提供したいと考えているCATV会社や通信会社がインフラを構築するためのハードウェア/ソフトウェアパッケージを提供する考えだ。

 カリフォルニア州サンタクララに本社を置くSunは4月25日、「Sun Streaming System」を披露した。これは、各種ハードウェアを組み合わせて3ラック/42U(約187cm)構成に搭載したシステムで、同社の「X4100“Galaxy”」サーバ(AMDのOpteronプロセッサを搭載)、「Sun Fire X4500」ストレージシステム(通称「Thumper」)、そして「X4950」と呼ばれる新スイッチが含まれる。X4950は、同時に16万本の個別ビデオストリームを2Mbpsの速度で配信する能力がある。

 Thumperストレージサーバは、Opteronプロセッサを搭載したGalaxyサーバとStorageTekバックアップシステムで構成されるNAS(Network Attached Storage)パッケージで、昨年7月に発表され、ゆっくりと成長している同社のストレージビジネスの中でも特に勢いのある製品だ。幅19インチ(約480mm)、厚さ7インチ(4U=約180mm)のThumperサーバは48台のホットスワップ対応ディスクドライブ搭載し、トータルで最大24Tバイトのストレージを提供する。

 Sunによると、スイッチ、サーバおよびストレージで構成される同システムは、同社の共同創業者であるアンディ・ベクトルシャイム氏の設計によるもので、VODコンテンツの主要プロバイダーである通信会社、大手CATVプロバイダーおよび小規模CATV企業(加入者数が100万人以下で業界の大多数を占める)をターゲットとするという。

 SunのStreaming Systemは、同社がこれらの企業に進出するチャンスを与えるものでもある。というのも、パーソナライズVOD機能は一般に普及し始めたばかりであり、この新市場が本格的に立ち上がろうとしている中でプロバイダー各社はインフラを探し求めているからである。

 Sunは、ソフトウェア、ストレージ、サーバ、サービスという同社の4つのコアビジネス戦略を1つの製品に統合することによって高い利益を見込める分野を探しており、Streaming Systemもこの取り組みに沿ったものだ。

 「このシステムは、ストリーミングビデオ市場向けに設計した。この市場は、向こう5年間で本格的にテイクオフするとわれわれは予想している。Sunはこの市場に本腰を入れており、当社がこの分野で持っているすべての知的財産を活用するつもりだ」とベクトルシャイム氏は米eWEEKの取材で語った。

 IDCでVOD市場の調査を担当するアナリスト、イーブ・グリリチェス氏によると、同市場の今年の規模は約3億ドルだが、2011年までに20億ドル以上に拡大する見込みだ。ユーザーはテレビだけでなくPCや携帯機器にも映画をダウンロードしたいと考えており、プロバイダー各社にとっては、VODサービス提供へのプレッシャーが高まる一方だという。

 VODとIPTVの需要拡大を目の当たりにしてインフラを構築したいと考えているCATV会社や通信会社について、グリリチェス氏は「市場はストレージを提供する能力に加え、サーバサイドの知識、そしてどういった需要があるかという知識を求めている」と話す。

 「将来、この種の技術の大手企業顧客が、通信会社の環境や大規模データセンターの中でも使える信頼性の高い装置を求めるようになるだろう」とグリリチェス氏は付け加える。

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