米国サンディエゴで開催された「G-FORCE 2007」。基調講演に先立ち行われたプレス&アナリスト向けプログラムでは、コンタクトセンターのトレンドや成功事例が紹介された。
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コンタクトセンターソリューションベンダーのGenesysは、米国サンディエゴで開催した「G-FORCE 2007」のプレカンファレンスとして、プレス&アナリスト向けプログラムを実施した。
冒頭説明に立った同社マーケティングおよびビジネス開発担当バイスプレジデントのニコラス・カチャフスキー氏は、現在、コンタクトセンターは「企業のコストセンターではなく戦略資産ととらえるべき」とした。
ニコラス氏は、2006年に実施したカスタマーサーベイの結果をもとに、ユーザーがカスタマーサービスに対して一般的に感じているインプレッションについて、説明を進めた。それによると、70%前後のユーザーが、(コンタクトセンターにアプローチする際に)セルフサービスを行うことに対し、否定的な見解を示したという。
しかしながら同氏は、同じ母集団において約90%ものユーザーが「さらなる商品やサービスの情報、関連製品のオファー、電話だけでなく電子メールやSMSなど複数のメディアを通じた情報を欲している」と述べた。
これら調査結果を受け、ニコラス氏は「今後のコンタクトセンターは、ユーザーに対しプロアクティブにアプローチすることが重要だ。またこれまで、電話やダイレクトメール、そしてWebサイトや電子メールといったように分散していたコンタクトセンターリソースの統合を進めなければならない」と結論付けた。
次いで登壇した、同社ビジネス開発担当バイスプレジデント、ロブ・ワインダー氏は、乗用車を借りるためレンタカーショップを訪れたが、カウンターにスタッフがおらず、コンタクトセンターに電話をしても“たらいまわし”にされてしまったという、自身の経験を披露し、「私の経験からも明らかなように、現状のカスタマーサービスの問題点は、顧客志向でないことだ」と述べた。
同氏によると、顧客志向のカスタマーサービスを実現するには、電話だけをチャネルとするのではなく、インスタントメッセージやモバイル、また(ショップ側スタッフなどの)アバターや自動音声認識を組み合わせ、セルフサービスへの抵抗感を払拭しつつ、企業とユーザーのコミュニケーションハブを拡大することが必要だという。
特にヨーロッパではカスタマーサービスのモバイル化が進んでおり、またSkypeを利用したインバウンド/アウトバウンドも積極的に行われているという傾向を紹介したワインダー氏は、「アップルのiPhoneが、強力にスマートフォン市場を牽引するだろう。若い世代に効果的なプロモーションを行うには、やはり携帯電話がメディアとして最適ではないか」と述べた。
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