日本SGI、ドイツの放送局向けソフトウェアベンダーを買収

日本SGIは、ドイツに拠点を持つ放送局向けソフトウェアベンダーのデイビッド社を買収したことを明らかにした。欧州での事業体制を70名体制へと拡充するとともに、日本市場向けに、欧州の先進製品、技術およびノウハウを導入して、ビジネスを強化する。

» 2007年05月22日 20時28分 公開
[ITmedia]

 日本SGIは5月22日、ドイツに拠点を持つ放送局向けソフトウェアベンダーのデイビッド社(D.A.V.I.D. GmbH)を買収した。今後両社は、新たに設立する持ち株会社の下で、欧州での事業体制を70名体制へと拡充するとともに、日本市場向けに、欧州の先進製品、技術およびノウハウを導入して、ビジネスを強化する予定。

 1991年に創立したデイビッドは、主にラジオ局向けに素材の取り込みから番組の送出までをトータルにカバーするソフトウェアを有し、欧州のラジオ局やTV局400社以上に導入実績を持つ。特にドイツ語圏では、ラジオ局の50%以上に納入したシェアを持つという

 すでに日本SGIが欧州放送局向けの事業拠点として設立しているサイレックス・メディアとの関係については、デイビッドが素材の取り込みから放送番組の送出までのアプリケーションソフトウェアを扱うのに対し、サイレックス・メディアは主にミドルウェア層を提供している。また、展開している市場も、デイビッドがラジオ局に強みを持つのに対し、サイレックス・メディアはテレビ局を中心に事業を展開している。さらに、社員のスキルセットを見ると、前者はR&Dのエンジニアを多く抱え、開発や製品に重点を置いているのに対し、後者はプロフェッショナルサービスとセールスに重点を置くなど、総じて両社は補完関係にあると言える。

 一般に、デジタル化においては、ラジオがテレビに比べ、10年以上先行していると言われる。デイビッドが蓄積してきたノウハウが得られたことで、よりきめの細かいコンテンツ総合管理ソリューションが提供できることになる。

 さらに、デイビッドは2001年には米国にも関連子会社を設立している。日本SGIもこの3月に米国法人「SiliconLIVE USA」を設立しており(関連記事参照)、米国の放送局への事業展開が予想される。

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