モバイル環境から社内のグループウェアにアクセスするには、利用シーンに応じたさまざまな方法がある。どのような方法があるのか、筆者の事例も含めて紹介しよう。
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前回は、Notes/Dominoにおけるモバイル環境として、主にネットワーク部分を中心にオフラインでもデータの参照、更新が行える複製機能について紹介した。
モバイル環境で、ノートPCを利用することは現状でも多いことではあるが、事務所で利用しているクライアントマシンと同様に、「Notesクライアント」をインストールして利用するには準備に手間がかかってしまうというケースもある。もっと手軽にモバイル環境でNotes/Dominoを利用するために、クライアント環境としていくつかの選択肢が用意されている。
Notes/Dominoでは、R4.5以降でWebブラウザからDominoサーバ上のデータベースにアクセスできる機能が搭載されている。アプリケーション開発者は、あらかじめデータベースの設計をWebでも利用できるように構築する必要があるが、それにより事務所ではNotesクライアントを、モバイル環境ではWebブラウザで同じアプリケーションを利用できる。
ユーザーが利用するメールデータベースやあらかじめ用意されているディスカッションテンプレートなどは、Web対応しているため、すぐにWebブラウザから利用できる(図1)。
もちろん、Dominoサーバ上でWebアクセスを行うための設定(HTTPタスクの起動等)が、システム管理者によって行われていることが前提だ。
前回説明したようなインターネットVPNなどでDominoサーバに接続できるネットワーク環境があれば、クライアントPCのWebブラウザでDominoサーバ上のデータベースを利用できる。しかし、基本はDominoサーバとネットワークが接続されているオンライン環境での利用となる。もし、オフライン環境での利用が必要な場合は、Notesクライアントの複製機能に相当するものが必要となる。
そこでR5.0.5以降に追加された「Domino Off-Line Services」(DOLS)を利用する。DOLSは、Webブラウザ経由で「Lotus Domino Sync Manager」をダウンロードし、インストールすることでNotesクライアントの複製機能に相当するプログラムをクライアントマシン上に用意することになる。これにより、Webブラウザを実行しているクライアントマシン上に、Dominoサーバ上にあるデータベースのレプリカを作成し、オフライン環境でもWebブラウザから参照、更新などが行える(図2)。
また、「Lotus Mobile Connect」など関連製品を用いることで、携帯電話のWebブラウザの機能を利用して、同様にDominoサーバ上のデータベースを利用することも可能だ。
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