大手か? ニッチか? 第3の選択肢を提供する日本インフォアInterview(3/3 ページ)

» 2007年06月11日 08時00分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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ITmedia そのチャンスを生かすために今後どのような手を打っていきますか。

村上 インフォアの買収戦略はシンプルでクリアです。そして、顧客基盤も強固です。彼らは、現状に不安を抱いているものの、インフォアの将来には期待を寄せています。

 ただ、われわれがそうした期待に応えるためには、残念なことに導入に関するコンサルティングのためのリソースが不足しています。アプリケーションビジネスの在るべき姿はもちろん描いています。しかし今は、米国本社の戦略、日本の顧客の期待値、そして社員の方向感というものの整合性を取りつつ、前に進もうとしています。

 インフォアを市場で今以上に認知してもらうことも重要ですし、専門性を持った人材、卓越した人材が豊富な会社だ、とパートナーや顧客から尊敬されることも重要です。そうでなければ、エコシステムは機能しません。幸い、インフォアには、製造業一筋の優秀な人材がいます。彼らを売り込んでいきたいと考えています。

パートナーのコンサルタントも育成

ITmedia そもそも日本の企業は手組みのアプリケーションをたくさん抱えていたり、パッケージにしてもたくさんのカスタマイズを行います。この課題にはどう対処していくのでしょうか。

村上 日本のアプリケーションビジネスと北米のそれは本当に違います。実績値としての導入期間からして違うのです。これは、カルチャーの問題です。日本市場におけるライセンスアプリケーション販売は、コンサルタントの数に制約を受けてしまうのは既に触れたとおりで、その点でわれわれには課題があります。

 これまで契約を交わしているパートナーは100社を超えているのですが、彼らもわれわれの買収戦略に不安を抱いていました。しかし、インフォアは、製品を中心とした戦略からインダストリーソリューション中心の戦略へと切り替えています。日本市場においても、ハイテク、産業機械、自動車部品製造、CPG(一般消費財)、流通、小売、そして3PL(3rd Party Logistics)という8つの業種に絞り込み、ビジネスプランの段階から合意できるパートナーとの提携に注力し、彼らのコンサルタントも育成しながら、組織的な成長を狙っていきたいと考えています。

 そして、もうひとつ、日本にはメガインテグレーターの存在があります。このあたりを理解している米国本社はとても少ないと思います。

 日本のメガインテグレーターが、自社のアプリケーション資産を優先して顧客に勧めるのは仕方ありませんが、彼らもグローバル化という点では弱みがあることを認めています。地域や特定の業種に目を向けてみると手を組めることもあり、そうしたメガインテグレーターとも話を始めています。

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