スイッチベンダーのフォーステン・ネットワークスは6月27日、ギガビットポートを最大384基搭載できるシャーシ型L3スイッチを発表した。
スイッチベンダーのフォーステン・ネットワークスは6月27日、同社としては初となる企業向けシャーシ型スイッチ「Cシリーズ」を発表した。第一弾として、L3コアスイッチ「C300」を出荷する。
C300は、ラインカードを8枚まで搭載可能なシャーシ型コアスイッチ。全スロット搭載時のスイッチング容量は1.5TBで、これは同一価格帯の競合製品と比較してもおよそ2倍に相当するという。1筐体につき、ギガビットイーサネット(GbE)を最大384ポート、10GbEを最大32ポート搭載可能で、主に企業のサーバルームや中規模データセンターに向けた仕様となっている。最小構成時の参考価格は税込みで490万円。
なお、PoE対応GbEポート×48、PoE非対応GbEポート×48、10GbE(XFP対応)×4の3種類のラインカードも併せて出荷される。
OSには、すでにキャリア向けハイエンドL3スイッチ「Eシリーズ」で実績のある同社のモジュラー型OS「FTOS」(Force10 Operating System)を搭載した。通常、1シャーシ1CPUという形態が主流だが、Eシリーズでは、スイッチング用、ルーティング用それぞれにCPUを割り当て、合計3CPUで高速な転送処理を行う。FTOSはこれら3つのCPUを制御できる。
米Force10 Networksのステファン・ギャリソンマーケティング担当副社長は、「強力な競合他社でもモジュラー型OSを搭載していないところがあり、また搭載されていてもわれわれのようにミッドレンジまで対応しているわけではない。つまり、彼らはモジュラー型OSで成功しているとはいえない」と、同社の強みを語った。将来的には、エッジ向けスイッチ「Sシリーズ」にも対応させ、全製品をFTOSで統合するという。
「フラグシップのEシリーズの価格が800万円台、そしてエッジスイッチのSシリーズが100万円台と、ラインアップとして価格に開きがあったが、C300はこれら中間に位置する製品だ」(ギャリソン氏)
木鎌三千雄代表取締役社長は製品の開発コンセプトについて、「最近、ビデオ会議システムやSaaS(Software as a Service)など、中堅企業でも広帯域へのニーズが高まっている。C300は低価格ながら、Eシリーズの高いポート密度や信頼性を受け継いでいる」と説明。同社のこれまでのメインターゲットであるリサーチ/エデュケーションやテレコム、ISP向けに加え、企業市場も開拓していく考えだ。
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