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» 2007年07月09日 14時02分 公開

オフショアリング2.0――インドの次に来るのは?

新たな技術にどん欲であり、英語に対しての抵抗も比較的少ない。インドは、ITとのかかわりが近年急速に高まった国の1つだ。しかし、その効果合ってか賃金が高騰し、オフショア先として疑問視する向きも増えつつある。

[Deborah Perelman,eWEEK]
eWEEK

 次の巨大なオフショアフロンティアとなるのはどこだろうか。その地域に関しては専門家らの見方は分かれているが、それがインド国内ではないことだけは意見が一致しているようだ。

 この流れの変化を促している主な要因は賃金の高騰である。アウトソーシングブームがわき起こった2004年、インドのソフトウェア技術者の賃金は、米国サンフランシスコにおける地域のコンピュータ技術者が稼いでいた賃金の4分の1に過ぎず、オフショアリングのコスト節約効果は極めて明白だった。

 しかしWall Street Journalの7月3日付けの記事によると、その後、インド人技術の賃金は高騰し――米国の賃金水準の75%に達するケースもある――シリコンバレーの一部の企業はインドに仕事を発注するのを敬遠し始めた。

 しかし、多くのIT企業がオフショア拠点の労働力を削減するようになった理由は賃金の高騰だけではない。予想していなかった隠れたコストの存在も大きな理由である。こういった隠れたコストとしては、地理的ギャップや時間的ギャップのほか、アウトソーシング提携を監督する米国人マネジャーを増員する必要性、撤退に伴う大きなコストなどが挙げられる。

 アウトソーシング提携から完全に撤退しない企業でも、オフショアオフィスを新たな地域に移転している。Aberdeen Groupが7月2日に公表した報告書によると、大多数の企業にとってインドが主要なアウトソーシング先であることに変わりはないが(特にコスト削減が最大の理由である場合)、ロシアとアジアのプロバイダーが価格と品質の両面の競争において急速に成熟化しつあり、2桁台の成長を続けているという。

 インドにおける賃金の高騰と深刻な人材不足に加え、インド国内でのIT技術者の需要増大といった要因のせいで、アウトソーシングの顧客企業各社はトップクラスのプロバイダーから中堅クラスへと提携先をシフトしているとAberdeen Groupの報告書は指摘。顧客企業が競争力を維持するには、世界各地で複数のオフショアリング拠点を利用(マルチソーシング)する必要があるという。

 IDCが7月3日に公表した報告書によると、労働力、不動産コスト、言語スキル、離職率に基づいて潜在的なオフショア供給センターを比較した場合、インドの都市は依然として高位にランクされているが、中国の都市も勢いを増し、インドの背後に迫っている。

 IDCでアジア/太平洋地域のBPO(Business Process Outsourcing)調査を担当するリサーチマネジャー、コンラッド・チャン氏によると、アウトソーシング、オフショアリング、オンショアリング(自国内でのアウトソーシング)、ニアショアリング(近隣国へのアウトソーシング)を評価する際には、さまざまなリスク要因を考慮する必要があるという。

 「契約締結を促す要因に注力する姿勢が、主要なアウトソーシング都市とそうでない地域との差別化につながっている場合が多く、GDI(Global Delivery Index)はその点を特に重視した指標だ」とチャン氏は話す。

 IDCの報告書では、エージェントのスキル、政治的リスク、労働コスト、言語スキルに基づいて中国の大連、上海、北京のランク付けを行っている。それによると、これらの3都市はグローバルデリバリーの上位10地域の5位、6位、7位にランクされている。IDCでは、2011年には中国の都市がインドの都市を追い抜く可能性があると予測している。

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