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» 2007年07月12日 20時55分 公開

ExcelやOutlookからSAPを利用できるDuet、日本語版の発売開始

マイクロソフトとSAPは7月12日、ExcelやOutlookからSAP ERPを利用するためのフロントエンドツール「Duet for Microsoft Office and SAP 1.0 日本語版」の提供を開始した。

[柿沼雄一郎,ITmedia]

 マイクロソフトとSAPは7月12日、Office製品からSAP ERPを利用するフロントエンドツール「Duet for Microsoft Office and SAP 1.0 日本語版」の提供開始を発表した。

 Duetは、多くのユーザーが慣れ親しんでいるOffice製品を使って、SAPアプリケーションへのデータ入力を行うためのフロントエンドツール。マイクロソフトとSAPが共同で開発し、7月12日に日本語版の発売にこぎつけた。

 マイクロソフト 執行役専務の平井康文氏は、同社が掲げる「People Readyビジネス」(人を通じてITと経営を結ぶもの)と、SAPによる「エンタープライズSOA」について、「アプローチこそ違えど、行き着くゴールは同じもの」と分析。それは、どちらもまず強固な基礎を構築し、その上のプラットフォームにさまざなプロセスを配置し、サービスあるいはアプリケーションを提供してユーザーの要求に応えていくという共通の構造があるからだ。

 Duetは、このプロセスと、サービスあるいはアプリケーションを仲介するもので、OfficeとSAPを連携させるフロントエンドの役割を持つ。対応するのはOffice 2003およびSAP ERP 2004以上。

 「使い慣れたOffice Systemと、基幹業務のスタンダードであるSAPアプリケーションが連携することで、新たな価値が創造される。ユーザーメリットも生まれ、さらにOffice Systemが単なるアプリケーションの集合体から本当の意味でのシステムに進化できる」(平井氏)

 またSAPジャパンのシニアバイスプレジデント 安田誠氏は、「技術的に言えば、エンタープライズ・サービス(ES)の機能をOfficeから呼ぶアーキテクチャーとなっており、SOAの1つの具現化ということになる。つまりこれは、われわれがSOAを製品の形で提供しているという格好の例ともなる。こうした意義も深いのではないか」とDuetを推す。

 Duetは2006年6月に英語版の出荷が開始され、現在までに250社、40万ライセンスが米国を中心に展開されているという。「グローバル企業のように数千人の単位で導入している事例もある。販売の数字は顧客のニーズが高かったことの証でもある」(安田氏)

 現在のDuetだが、その利用シナリオは、予定表へ作業時間を入力し、データを自動的にSAPへ登録するタイムシート管理や、連絡先を利用してSAPが持っている従業員や組織構造に関する最新情報にアクセスする組織管理など、おもにOutlookとExcelを使ったものになっている。いずれもOffice側での1回の入力でSAP側にも登録でき、企業システムにありがちな二重入力の手間を省くことができる。そしてDuet最大のメリットとも言えるのが、Office側が備えている「オフライン機能」の利用だろう。SAPのデータをOutlookで利用する際には必ずオンラインである必要はなく、Outlookのオフライン機能によって、データをキャッシュの状態で保持しておくことができる。このときにデータの編集を行ってもよい。外出先から帰社するなどオフラインからオンラインへ移行したときに、データの同期が行われ、Outlookで行われたすべての変更がSAP側へ反映される。

 2007年末には、2007 Office Systemに対応し(現在はOffice 2003のみ対応)、さらに購買管理や採用管理、そしてWordを利用した契約管理などのシナリオが追加されたDuet 1.5がリリースされる。さらに2008年第4四半期にはセールス機会・見込み客管理やサプライチェーンイベント管理、プログラム管理などが追加され、SharePoint Server 2007との統合も行われるDuet 2.0が、そして時期は未定となるが次世代のOfficeのリリースを待って投入されるDuet 3.0が予定されている。

 顧客は従来どおり、SAPジャパン、マイクロソフト、そしてそれぞれのパートナーによるサポート体制を享受できる。さらにセカンドラインとして、SAPとマイクロソフトによる共同サポートデスクも設置されるという。

 「(MSとSAPは)すでに15年間の協業で大きな成果を得ているが、今回の協業は1+1が3や5、あるいは10になる可能性を秘めている。まさに新しいコンピューティングモデルの提案となるだろう」(平井氏)

 なお、マイクロソフトのオープンライセンスによる参考価格は、サーバが28400円、CAL(クライアントアクセスライセンス)が28400円とのこと。安田氏によれば、2007年内に10社〜20社の導入を見込むという。

マイクロソフト 執行役専務 エンタープライズビジネス担当 平井康文氏(左)と、SAPジャパン シニアバイスプレジデント パートナー&マーケティング統括本部長 安田誠氏(右)

 

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