IT社会の過激な問題噴出――選挙から中国、ケータイ問題までオルタナブログ通信(3/3 ページ)

» 2007年07月13日 15時36分 公開
[森川拓男,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

 ちなみに、現在予定されている出荷時期は8月8日、併せて無償バージョンアップキャンペーンも、8月7日まで延長されている。ブログツールの雄であるMovable Typeがどのような進化を遂げていくのか、注目したい。

ネット時代の選挙

 ついに12日、参院選が公示された。これから29日の投開票日までの2週間あまりが選挙戦になる。

 しかし、ネット時代というのに、選挙という国民が政治に関与できる唯一にして最大のイベントで活動が制限されているのは、いかがなものだろうか。

 例えば政見放送。果たして国民の多くが視聴する時間に放送されているといえるのだろうか? 見たくても見逃してしまう人も多いのではないだろうか。かくいう筆者もその一人であり、ビデオ録画をするが、それでも見逃すことがある。

 そこで、法改正してでも推進したらどうかと思うのだが、ネット配信による政見放送だ。もちろんテレビと並行する形で、ネットで好きな時間に観られる政見放送を流せば、有権者の興味・関心も高まるのではないだろうか。

 そのような意味でも、工藤拓也氏「一人シリコンバレー男」でも紹介されたニコニコ動画を小沢一郎氏が視察のエントリーは興味深い。

 これは、ニコニコ動画で小沢一郎民主党代表のオリジナル動画が配信された(関連記事)のを受けてのことだが、あくまでも1動画配信サービスの試みに過ぎない。今回の試みが選挙へどう影響するのかは注視したいが、やはりここは選管として、配信する方向に持っていくべきだろう。工藤氏も指摘するように、ニコニコ動画には会員にならないと観ることができない制限がある。

 このような動画は、すべての候補者・政党のものを、誰もが容易にアクセスできるのが好ましい。すべての街頭演説や討論会を見聞きすることは物理的に不可能だ。マスコミで報道されるのは、ごく一部を切り取ったものや、小さなトピックをさらに間引いたもの。もちろん、完全中継される討論会もあるが、それにしても政見放送と同じく見逃せば機会損失だ。

 この動向が背景にあるためだろうか? 鶴田裕史氏「IT業界のマーケティングを問う」に投稿された無責任な発言のような状況が、誰とは言わないが政治の世界でも蔓延しているような気がするのだ。こう感じるのは筆者だけだろうか。

 また、選挙といえば、林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」以前にも取り上げたエントリーの続編政党の好感度や評判をブログから分析し、選挙動向を読む(2)が、なかなか興味深かった。ぜひ読んでいただきたいと思う。

国民総背番号制で年金問題は防げたのか?

 今回の選挙争点の1つとも言えるのが、誰もが感じている年金問題だ。この年金問題に関して、今泉大輔氏「シリアルイノベーション」に、誰が国民総背番号制に反対してきたのか?という興味深いエントリーが投稿された。コメント欄でも議論が飛び交っているので、ぜひ目を通してほしいと思う。

 この件に関して述べると長くなってしまうので別の機会にしたいと思うが、「ITの効率だけで考えてよいものではない」というのが筆者のスタンスだ。もし仮に、今泉氏が書かれているように、国民総背番号制とでも称するものが提示されたとしたら。筆者は、形は違えども、同じような問題が起きていたと思う。運用するのはあくまでも人だからだ。昨今の役人を見れば分かるように、性善説に立っただけではダメだろう。読者の皆さんは、どう感じるだろうか。

カジノ・ロワイヤルと英語

 最後に少し変わったエントリーを紹介しよう。

 エリック松永氏「THE MAN WITH THE ENTERPRISE ARCHITECTURE」は、そのブログ・タイトルからも、筆者と同じものを好きなんだなということは感じていた。何かというと、007シリーズである。ちなみに007シリーズには、ロジャー・ムーア主演で映画化された「THE MAN WITH THE GOLDEN GUN(黄金銃を持つ男)」がある。

 ここで11日に投稿されたのが、"CASINO ROYALE"と"Martini"。007シリーズの最新作は、昨年末に公開されて現在DVDやブルーレイも発売されている「CASINO ROYALE(カジノ・ロワイヤル)」で、主演はダニエル・クレイグ。今後、来年公開予定の新作も控えているのが楽しみだ。

 ここで松永氏は、イギリス英語の観点から解析していてなかなか興味深い。筆者はあまり英語が得意ではないため(というよりも苦手)、ほとんどを字幕に頼るか日本語吹き替えで見ている。従って、ここで指摘しているようにボンドの英語が、きちんとイギリス英語になっているのかどうか、その観点から見直してみるべきかと感じずにいられなかった。いくらアメリカ資本が入って製作されていても、やはり根本はイギリス映画なのだな、という感じを改めて受けたエントリーだった。

 以上、7月5日から7月11日にかけてのオルタナティブ・ブログに投稿されたエントリーから、筆者が気になったものをピックアップしてみた。

 しかし、オルタナティブ・ブログには、数多くのエントリーが投稿されており、この記事で取り上げたのは一部である。本記事を通して興味を持つものがあったとしたら、「ブロガー一覧」などを通して、それぞれのブロガーの本投稿にも興味を持ってほしい。「最新投稿一覧」はRSS配信もしているので、それも活用していただきたいと思う。

 ITの今を知る、新たな発見があるに違いない。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ