iPhoneで会社のメールを受信しよう

英SynchronicaがiPhoneとMicrosoft Exchangeの同期を可能にするMobile Gateway 3.0を発売を計画している。

» 2007年07月17日 11時35分 公開
[Steven J. Vaughan-Nichols,eWEEK]
eWEEK

 AppleのiPhoneは、発売後の最初の週末に70万台が販売されたと推定されている。米国人は、携帯電話とメディアプレーヤーとインターネットクライアントの高価な組み合わせが大いに気に入っているようだ。

 500ドルで手に入れたiPhoneを肌身離さず持ち歩きたいと思うナレッジワーカーたちは、それを職場にも持ち込むだろう。

 しかし重要なビジネスアプリケーションをサポートしないiPhoneは、実際に企業で役に立つのだろうか。Synchronicaに言わせれば、その答えはイエスであるようだ。

 英国に本社を置くSynchronicaでは、Microsoft ExchangeとiPhone間のワイヤレス同期化機能をサポートする「Mobile Gateway 3.0」を発表する予定だ。

 モバイルデバイスの同期化/管理ソリューションの国際的プロバイダーであるSynchronicaによると、Mobile Gateway 3を利用すれば、企業とサービスプロバイダーはビジネスユーザーにモバイル同期化機能を提供することができるという。これにより、ユーザーはファイアウォールを開放したり、追加的サーバサイドソフトウェアをインストールしたりするようITマネジャーに要求しなくても、自分のiPhoneで会社の電子メールを受信することが可能になる。

 同社によると、Exchangeサーバ内でIMAP(Internet Message Access Protocol)やSMTP(Simple Mail Transport Protocol)を開放したり、追加コネクタをインストールしたりする必要はないという。Mobile GatewayはMicrosoftのセキュアなOWA(Outlook Web Access)を利用して、社内のExchangeサーバから電子メールを取り出すからだ。

 次にMobile Gatewayは、iPhoneに搭載された電子メールクライアントに直接電子メールを配信する。このためユーザーは、iPhoneの素晴らしいユーザーエクスペリエンス、ならびにそのアドレス帳との緊密な連携によるメリットを生かすことができる。

 一方、Microsoftも、ExchangeとiPhoneの親和性を高める取り組みを進めてきた。同社によると、Exchange Server 2007 Rollup 3(第3アップデート)では、IMAP(Internet Message Access Protocol)クライアントに関連した問題が修正されたという。MacとiPhoneはいずれもMacMailクライアントを使用するが、MacMailはExchangeとの通信でIMAPを利用する。

 SynchronicaのMobile Gateway 3.0ミドルウェアは既に、NokiaやSony Ericssonなどの企業が提供している広範なスマートフォンやマスマーケット向け多機能携帯電話との同期化をサポートしている。

 Synchronicaのカーステン・ブリンクシュルテCEOは、「iPhoneは非常に魅力的なスマートフォンであり、コンシューマーとプロシューマーの両市場に訴求する。しかし、企業幹部が社内のファイアウォールに穴を開けるようなデバイスの同期化を求めても、ITマネジャーはそれを許可しないだろう」と発表文で述べている。

 「Mobile Gatewayは既に、Microsoft Exchangeとの同期化をサポートしているが、ファイアウォールの設定を変更したり、社内ネットワークにソフトウェアを新たにインストールしたりする必要がないので、そういった問題が起きることはない。キャリアの視点から見た場合、Mobile GatewayによってiPhoneの利用範囲が大きく広がり、ビジネスユーザー分野やプロシューマー市場にもiPhoneが進出することになるだろう」(同氏)

 SynchronicaのMobile Gatewayは、POP3とIMAPのバックエンドサポートも提供しているため、AOLやYahoo!といったポピュラーなメールサービスに接続することが可能だ。ビジネスユーザーへの配慮としてゼロフットプリントアーキテクチャを備えており、ユーザーは自分のデバイスをMobile Gatewayに登録するだけでプッシュ配信型電子メールを受信できるようになる。Mobile Gatewayには、Microsoft Exchange、Lotus NotesおよびSun JESのサポートが組み込まれている。

 iPhoneを企業の通信システムに連携するための取り組みを進めているのはSynchronicaだけではない。Exchange管理サービスプロバイダーのAzaleosでは、「MobileXchange」の次期版を間もなくリリースする予定だ。この製品は、モバイルデバイスから電子メールや各種の重要なビジネスアプリケーションに毎日いつでもアクセスできるようにするためのプロビジョニング、セキュリティ、管理を行うITマネジャーを支援するもので、大人気の新しいIT玩具(iPhone)にも対応する。

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