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» 2007年07月17日 21時04分 公開

スマートフォンが喜ばれる理由とは――英Symbian

携帯電話OSベンダー英SymbianのクリフォードCEOが来日し、スマートフォン市場での同社の競争優位性について説明した。

[國谷武史,ITmedia]

 携帯電話OSベンダーの英Symbianおよび日本法人シンビアンは7月17日、東京都内で記者説明会を開催し、Symbianのナイジェル・クリフォードCEOが同社のスマートフォン事業戦略について説明を行った。

 まずスマートフォンが世界的に注目される背景について、クリフォードCEOは「Capability(機能性)・Convergence(融合性)・Convenience(利便性)の3つの“C”を兼ね備えている」と述べた。同社が定義するスマートフォンとは、汎用OSを搭載してマルチメディア機能や多彩なアプリケーション、機能をサポートする端末であるという。

携帯電話のハイエンドモデル市場ではSymbian OSが圧倒的なシェアを持つ。クリフォードCEOは、オープンな開発環境がメーカー、通信キャリアに利益をもたらすと力説した

 Symbian OSは、オープンなアプリケーション開発環境やプラットフォーム環境などに加え、端末メーカーや通信事業者が製品を市場展開する上でターゲットユーザーに合わせたカスタマイズを自由に行える柔軟性が特徴だと、クリフォードCEOは説明した。

 IDCやガートナーなどの調査を基にSymbianが取りまとめた情報端末の出荷状況では、2007年にもスマートフォンの世界出荷がデスクトップPCを上回るとしている。「スマートフォンの機能が家電業界に与える影響は大きく、カメラを例にみても携帯電話ユーザーの半数以上がカメラ付き携帯電話で撮影を楽しんでいる」(クリフォードCEO)。

 クリフォードCEOは、こうした商品開発の柔軟性が高いスマートフォンが差別化されたサービス、製品戦略を可能にし、通信事業者に大きな利益をもたらすと強調する。Symbian OS端末は、NTTドコモやVodafone、Orange、T・Mobile、Telecom Italia Telefonicaなど欧米のメジャーな通信事業者で展開され、累計出台数は1億2640万台、市場シェアが72%に達するという。また07年第1四半期だけでも1590万台を出荷し、現在では114機種が発売されている。

 Symbianでは、5月に最新版OSとなる「Symbian OS v9.5」をリリースした。同バージョンでは、企業ユーザーの関心が高いセキュリティ機能の向上(関連記事参照)に加え、「デマンドページング」と呼ばれる効率的なメモリ制御機能による消費電力の削減など75種類の新機能を搭載した。これにより、端末メーカーやアプリケーションベンダーでは開発期間の短縮やコストの削減が可能になるという。

 クリフォードCEOは、OS本体でサポートする領域が広がるためにバリエーションに富んだ端末、アプリケーションの開発が可能になるとしている。また、「コストパフォーマンスに優れるため、低・中価格帯の機種にもスマートフォンの機能を展開できるようになった。最新版OSでは世の中にある端末の3分の2をサポートできるだろう」と述べた。

日本は最重要市場の1つ

 国内ではSymbian OSを搭載する端末が7月13日現在で60機種となり、累計出荷台数が2000万台を超えている(3月末現在)。シンビアンの久晴彦代表取締役社長によれば、2006年度の国内携帯電話OSのシェアは55%となり、採用ペースが急速に高まっているという。

「日本ではキーボード付きのWindows Mobileがスマートフォンと思われているが、Symbianは通話端末からPCライクな端末(写真はNokia製E90)まで幅広くサポートしている」と久社長

 「世界で出荷されるSymbian OS端末の25%を日本が占めている。国内出荷1000万台達成までは3年を要したが、2000万台到達はわずか1年で実現できた」(久社長)。特に07年第1四半期の出荷台数は390万台で、06年第4四半期比で30%ほど増加した。

 久社長は、国内での事業展開について「コストパフォーマンスと環境性(低消費電力)のメリットなどOSとしての基本性能の向上を追求し、当社の国際的な事業環境を活かして国内メーカーの海外進出を支援していきたい」と語った。

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