第3のプレーヤーになりえるか? スマートフォンのBlackBerry

米国のビジネスマンが愛用するBlackBerryが、日本でも本格展開される。Symbian、Windows Mobileに続く第3のプレーヤーの実力とは?

» 2007年07月19日 17時08分 公開
[ITmedia]

 米国のビジネスマンが持ち歩くスマートフォンの中で特に目立つのが電卓のような形状をしたブラックカラーのBlackBerryだろう。このBlackBerryがNTTドコモによって日本語化され、7月23日から法人向けに販売される(関連記事参照)。

日本語化されたBlackBerry 8707h

 BlackBerryは、本格的なスマートフォンとして初めて普及した草分け的な存在として知られる。国内ではWindows MobileやSymbian OSを搭載するスマートフォンの知名度が高いが、BlackBerryでも通話やメール、Webブラウジング、スケジュール管理などの多彩な機能を利用できる。NTTドコモは2006年秋に英語版を発売しているが、現在まで外資系企業を中心に数万台規模の利用がすでにあるという。

 BlackBerryが他のスマートフォンと異なるのは、開発・製造を行うカナダのReserch In Motion(RIM)が端末、OS、サーバソフトなどモバイル機器の導入に必要なシステムをプラットフォームとして提供する点にある。NTTドコモが販売するシステムも、端末の8707hのほかにサーバソフトとクライアント管理ツールからなるBlackBerry Enterprise Solutionの導入が必要だ。

BlackBerryの端末管理画面。リモート環境からの操作ロックやデータ消去など詳細な管理・設定を行うことができる

 RIMでは、BlackBerryをこうしたプラットフォームシステムとして提供することによって、高度なセキュリティが求められる企業のモバイル環境で安全なデータの利用を実現すると説明している。BlackBerryではMicrosoft Exchange、IBM Lotus/Domino、Novell GroupWiseの各グループウェアの機能を利用できる。またソフトウェアはJavaベースであるため、ユーザーの仕様に合わせた業務アプリケーションを組み込むことも可能。BlackBerryの開発者向けサイトではSDKも公開されている。

 BlackBerryの導入コストは、端末が5万9900円(標準価格)、BlackBerry Enterprise Solutionが20ユーザーの場合で45万円ほどになるという。また月額料金はFOMAの各プランを組合せることができるが、別途BlackBerryネットワークサービスの使用料5700円が必須となる。すでにBlackBerryを海外で導入している企業でも日本語版のBlackBerryを追加導入できる。

 BlackBerryは法人ユーザーのみの利用となる。国内市場でも世界の主要なスマートフォンプレーヤーが出揃ったことで、企業がモバイル環境を利用するための選択肢が広がりそうだ。

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