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» 2007年07月19日 18時43分 公開

11gのビジネスケースとは (1/2)

Oracleにとって次の課題は、同社の新データベースの機能のビジネス価値を企業幹部に理解させることだ。

[Brian Prince,eWEEK]
eWEEK

 Oracleは長らく待ち望まれてきた「11g」データベースを正式に発表したが、業界観測筋の間には、ユーザーがこの最新版にすぐにアップグレードする可能性を疑問視する向きもある。

 Independent Oracle Users Group主催の年次カンファレンスに参加したメンバーを対象とした調査では、リリース後の最初の12カ月以内に35%のユーザーが11gにアップグレードする予定だとしている。しかし、これは楽観的見通しだというのが大方の意見だ。いずれにせよ、アップグレードがどれだけ迅速に進むかは、Oracleが11gのビジネスケース(ビジネス上の価値)を企業幹部にどれだけうまく説明できるかにかかっている。

 「Oracleがそれをきちんと説明しているとは思えない」――Gartnerのアナリストのドナルド・ファインバーグ氏は、11gのビジネス価値に関してこのように指摘する。「あまりにも多くの機能を11gに詰め込んだために、Oracleは大きなチャンスを逃がすのではないかというのが、わたしの率直な感想だ。技術系の人間でなければ、11gに含まれている機能の90%の価値を引き出せないのではないだろうか。そこには大きなビジネス価値があるのだが」。

 「CIOやCEO、あるいはCFO(最高財務責任者)がこのリリースを見たら、『うちはアップグレードするつもりはない』と言うだろう。しかし技術系の人間、例えば、CTO(最高技術責任者)やDBA(データベース管理者)などがこれを見た場合、『明日にでも導入したい』と言うだろう」(ファインバーグ氏)

 ファインバーグ氏によると、11gにおける管理性の分野での改善(アプリケーションのテストやローリングパッチを処理する機能により、データベースを運用しながらアップグレードができるなど)は、企業にとって経費の節約、ならびに特定のタスクに割り当てるリソースの量の削減につながるという。

 「コストに大きく影響するのが管理機能だ。Oracleがマーケティングの視点からこの点をきちんとアピールすれば、あらゆるCFOの目を引くことができるはずだ。CFOはOracleの顧客でもある。管理機能はリソースに最大の影響を与える要因であり、これはすべての企業の収益に直結する」(同氏)

 カリフォルニア州レッドウッドショアーズに本社を置くOracleでデータベース製品マーケティングを担当するウィリー・ハーディー副社長によると、11gのマーケティングの主要なターゲットがDBAであるのは明らかだが、企業幹部やそのほかのユーザーにとっても、11gの機能のビジネス面でのメリットは決して失われていないという。

 「企業幹部は今後もTCO(総合保有コスト)の削減を進めることができ、ビジネスユーザーは毎日24時間、セキュアな情報に素早くアクセスできるようになり、開発者は3D空間データやXMLなどあらゆるタイプの情報をアプリケーションに統合することができ、DBAはサービスレベルに関するユーザーの期待に簡単に応えられるようになる」とハーディー氏は話す。

 さらに、7月11日に発表された11gでは、コンプライアンス要件への対応、より多くのデータをストレージデバイスに効率的に保存する機能、データベースの迅速な変更とそれに伴うリスクの低減など、数々の新機能が導入されたという。

 ニューヨーク州ホワイトプレーンズにあるStarwood Hotels and Resorts Worldwideでデータベース技術/アーキテクチャを担当するシニアディレクター、アーラップ・ナンダ氏によると、Oracleの「Real Application Testing」機能と強化された暗号化機能は、11gのビジネスケースで特に重要な部分だという。

 「Real Application Testingでは、本番アプリケーションからデータベースに渡される実際のワークロードをキャプチャし、それを再現することができる。この機能がなければ、テスターは実際のワークロードをシミュレートした擬似的なトランザクションを作成し、QAツールで何度も再現しなければならない。これは時間がかかるだけでなく、間違いも起きやすい」とナンダ氏は話す。

 同氏によると、Real Application Testingを利用すれば、トランザクションを作成する作業が不要になるので、労力とコストを削減できるという。もう1つの有力なビジネスケースは、あらゆる種類の変更をテストできることだ。これは、変更に伴うリスクの低減と可用性の向上につながる、と同氏は話す。

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