日本IBM、業務プロセス視点でSOAシステムを構築するソフトウェアを発表

日本IBMは、SOAに基づく業務システムの開発期間を最大で約70%短縮させるソフトウェアとして「IBM WebSphere Business Services Fabric V6.0.2」を発表した。

» 2007年07月19日 20時55分 公開
[ITmedia]

 日本IBMは7月19日、SOA(サービス指向アーキテクチャー)に基づく業務システムの開発期間を最大で約70%短縮させるソフトウェアとして「IBM WebSphere Business Services Fabric V6.0.2」を発表した。

 SOAの普及を妨げる一因として、「サービス」の粒度を適切に設計するというスキルの不足や、「サービス」を組み合わせるためのミドルウェア環境の複雑さが挙げられる。

 「IBM WebSphere Business Services Fabric」は、SOAを補完する概念である「ビジネスサービス」を使用し、SOAの「サービス」の設計、組み立て、実行にかかる時間と費用を削減するためのもの。ベースとなっているのは、2006年に買収した米Webify Solutionsの製品で、ビジネスサービスのモデリングや開発などを行う「IBM WebSphere Business Services Fabric Tools Pack」と、その実行/管理環境となる「IBM WebSphere Business Services Fabric Foundation Pack」内に幾つかのアプリケーションパッケージが属する形で提供される。ビジネスサービスというサービスより上位の概念からSOAプラットフォームをとらえた製品と言える。

 ビジネスサービスは、例えば「口座の開設」という、独立したビジネス機能を定義することで実現されるもの。口座の開設という業務をSOAとして実装する場合、「顧客情報確認サービス」や「与信調査サービス」といった複数のWebサービスのほか、そのアクセス権限や表示形式といったメタデータ情報を加えて1つのビジネスサービスを定義する。

 こうして定義されたビジネスサービスは、「WebSphere Business Services Fabric」が動的に参照し、実行可能なシステムを自動的にアセンブリすることで、SOAに基づいたシステムが動作するという仕組みとなる。

 また、業種に特化した「ビジネスサービス」を、あらかじめテンプレートとしてパッケージに収めた「Industry Content Pack」も併せて発表された。今回用意されたパックは、銀行の決済業務、保険企業の損害保険業務、医療保険企業の支払者プロセス、通信企業の請求/フルフィルメント/および保証業務といった4業種に対するもの。日本IBMでは、両者を活用することで、開発期間の短縮とコストの削減、および再利用効率の向上が期待できるとしている。

 価格は、「IBM WebSphere Business Services Fabric Tools Pack V6.0.2」が、1ユーザー当たり207万4000円から。「IBM WebSphere Business Services Fabric Foundation Pack V6.0.2」が、1CPU当たり3360万5000円から。また、Industry Content Packは1パッケージ当たり4290万円からとなっており、いずれも7月20日から出荷を開始する。

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