「UTMもメールセキュリティも大規模志向」、ソニックウォールが新しい方向性(2/2 ページ)

» 2007年07月23日 15時40分 公開
[井上猛雄,ITmedia]
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大規模向け機能の拡充も

 SonicWALLは、これまでは比較的小規模向けのソリューションにフォーカスしていたが、ここに来てより大規模な分野に対応する包括的なソリューションの展開にも力を入れている。6月には「NSA E 7500」のような大規模向けUTM製品も発表した。この方向性はメールセキュリティ分野でも同様だ。

 バドマン氏は「従来からミッドマーケットで展開してきたMail Frontierを買収したのも、より大きな企業に対応するSonicWALLの戦略と合致するものだった」と説明する。スパムやウイルスなどは企業規模にかかわらず送られてくるため、セキュリティに関しては同じような要件が多いが、「これ以外にも大企業に必要な特有の機能が求められている」という。

 例えばSES 6.0では、アプライアンスの機器管理を容易にする大規模向けの機能が盛り込まれている。ファームウェアリカバリに冗長性を加える「セーフモード」や、専用の管理ツールに適用するスクリプトをサポートするコマンドラインインタフェース(CLI2.0)のほか、SNMP(Simple Network Management Protocol)によるリモートモニタリングシステムへの対応がそれに当たる。

 また、従来は既存のLDAPサーバを利用してユーザー情報を同期させて管理していたが、SES 6.0ではユーザー情報をマニュアルでインポートすることが可能になった。あるドメインでは機能をオンに、ほかのドメインでは機能をオフにするなど、ドメイン単位でのDHA攻撃対策も行える。ホスティングやMSPサービスでの運用を考えている企業にも、同社のメールセキュリティアプライアンスを対応させていくという。

 SESの今後の展開について、バドマン氏は「スパム対策の精度やセキュリティの効果を向上するためのアプローチを継続して実施していく。また、SMART Networkのデータベースの増強とともに、運用面での使い勝手も向上させる。さらにコンプライアンス関連では、アーカイブや暗号化、アウトバウンドの情報に関する管理機能などをすでに備えているが、こちらについても拡充していきたい」と述べた。

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