ITはニッポンの冷え切った「現場力」を救えるか?SAP BUSINESS SYMPOSIUM '07レポート(2/2 ページ)

» 2007年07月24日 20時10分 公開
[堀哲也,ITmedia]
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 SAPの安田氏は、経営資源の管理がコンピュータで行われるようになって30年近くたったにもかかわらず、常に米国には5年遅れていると感じているという。だが、ビジネスのグローバル化を背景にその傾向も少しずつ変わる気配も見えている。

 「あいつの顔を見ていれば、今の経営状態が良いか悪いか分かるというやり方は、グローバル化してくると、そうも行かない。ERPは経営資源の状況を数字でとらえるのが目的のシステムだが、日本もそうなってきている」

 しかしERPは、結果としての数字を見せるだけだ。実際には、現場の人間のセンス&レスポンスが重要になる。日本企業でもバックエンドの情報をいかにフロントにいる現場に見せられるか、が重要になり始めている。

 Office SystemをERPのフロントエンドとして連携させる「Duet」でSAPと協業しているマイクロソフトの平井氏は「よくよく考えると、ITはこれまで個人の生産性を高めてきたが、組織としての能力を高めてこなかった」と話し、組織としての能力を高める現場力が本当の現場力だとした。

 同様に「SAP Interactive Forms by Adobe」でERPのフロントエンドで協業するアドビの伊藤氏も「ニューリーダーは新しい技術やツール積極的だ」と話し、彼らがIT部門の専売特許だった企業システムを次のステップをもたらす可能性があるとした。

 SAPの安田氏は「技術が進化してやっとインタフェースというフロントエンドにまでたどり着いた。今後はフロントエンドに投資することで、ITのメリットをより教授しやすくなる」と話した。

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