上海で行われているOracle OpenWorld Asia Pacific 2007。2日目の基調講演にはOracle社長のチャールズ・フィリップ氏が登壇、最新となる11gに注がれたOracleのイノベーションをアジアで強くアピールした。
7月31日の早朝7時。すでに街中はかなり蒸し暑い。この時期、上海の気温は日中で40度近くに上昇するとのことだ。そんな酷暑のなかにあっても、大勢の聴衆がOracle Database 11gの、アジアでの初お披露目の会場に足を運んだ。「Enabling the Innovation Age――イノベーションの時代を実現可能にする」と題されたOracle Database 11gをテーマにした基調講演のステージで、Oracleの社長であるチャールズ・フィリップ氏は、まずは中国の重要性という話題から話を始めた。
中国において、Oracleはすでに18年間に渡る活動を行ってきた。世界の中でも大きくビジネスが伸びている地域であり、現在は市場としても極めて重要な地域となっている。Oracleは継続的な投資により、すでに中国でも製品の導入シェアなどさまざまな領域でNo.1を獲得しているとフィリップ氏は言う。
続いて、7月11日にニューヨークで行われたOracle Database 11gのローンチイベントのときと同様、今年がOracle創業から30周年という節目の年に当たるという話題となり、Oracle2からOracle Database 10g、そして11gへとつながる製品発展の軌跡について説明がなされた。
「この30年間に、データベース製品、ミドルウェア製品、アプリケーション製品という3つのマーケットでリーダーとなれたのは、Oracleの製品が完成(Complete)されていて、そしてオープンだったからだ」とフィリップ氏は言う。これらについては、今後も継続していくことが約束された。
30年前にスプレッドシートのデータをデータベース化するといったところから始まり、それを大勢の人が多角的に使えるように拡張してきた。現在では情報そのものが変化してきており、データベースで構造化されていないデータも積極的に扱うようになってきているとフィリップ氏は指摘する。さらに今後は、消費者が利用するような情報をセキュアに扱える、より高いリアルタイム性、コンプライアンスに対応するセキュアなデータ管理、情報の質といったことが新たに求められる。それらに対応するためのイノベーションに、Oracleは挑戦し続けるという。そしてこのイノベーションを具現化した1つの結果が、今回発表したOracle Database 11gだとフィリップ氏は力説する。
Oracleの社内だけで、どのイノベーションを実践するかを考えているわけではないとフィリップ氏は言う。顧客の要望が重要であり、β版の顧客やユーザーグループの声に耳を傾けることが重要だと指摘して、サーバテクノロジー担当執行副社長のチャック・ロズワット氏とステージを交代した。
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