F5、「さらに10倍高速化」するWAN高速化製品の新版

F5ネットワークスジャパンは、対向型で運用できるようにしたWebアプリケーション高速化製品の新バージョンや、専用アプライアンスを10月に市場投入する。

» 2007年08月01日 21時35分 公開
[堀見誠司,ITmedia]

 F5ネットワークスジャパンは8月1日、Webアプリケーション高速化製品「BIG-IP WebAccelerator」の新バージョンを発表した。機器の対向設置でさらに高速化を図ったのと同時に、専用アプライアンス化した製品を新たにリリースする。

画像 デュアルCPU、HDD、1Gbpsイーサネットポートなどを搭載するWebAccelerator 4500

 WebAcceleratorは、いわゆるアプリケーションフロントエンド(AFE)またはアプリケーションデリバリコントローラ(ADC)と呼ばれる、アプリケーションスイッチ(負荷分散装置)の機能を拡張するソリューションで、センター側のサーバセグメントに機器を設置した非対称の構成で不特定多数のWebアクセスなどを高速化することを主眼としている。アプリケーションスイッチ「BIG-IP Local Traffic Manager 6400/6800/8400」上で稼働するソフトウェアベースのアドオンモジュールとして提供されている。独自のキャッシュ技術でWebの動的コンテンツの処理もオフロードできる。

 今回発表されたバージョン9.4.2では、WAN越しに機器を対向で設置して一層の高速化を実現したのが特徴。例えば本社側と拠点側にWebAcceleratorを設置して、お互いにキャッシュしたコンテンツを持ち合うことでWANトラフィックの量を減らし、ユーザーのWebアプリケーション配信を高速化できる。「非対向で設置した場合と比べ2倍から最大10倍、また高速化しない場合に比べ最大20倍の高速化が可能」(武堂貴宏シニアプロダクトマネジャー)だという。非対向/対向型設置を混在させた運用にも対応する。

画像 Webポータルへのアクセス速度比較。機器を対向に設置すると非対向の設置に比べさらに高速化される

 対向型運用のサポートはSSL暗号処理の高速化にも有効で、「業界でも最速クラス」(武堂氏)のSSLオフロードが可能だとしている。

 価格は300万円(税抜き)で、保守契約ユーザーは無償でアップグレードできる。

 また同社は、負荷分散機能を必要としないユーザーに向けて、WebAcceleratorを搭載したスタンドアロン型アプライアンス装置「BIG-IP WebAccelerator 4500」を発売する。米国ではすでに発売されている製品で、WebAcceleratorがBIG-IPシリーズの共通OS「TMOS」上で機能させられるようにしたタイミングに合わせて国内に投入する。機能的にはモジュール版WebAcceleratorと同等。価格は990万円(税抜き)。

 アプライアンスを含む新しいWebAcceleratorの出荷は10月の予定。

 なお、F5ネットワークスは同じWAN高速化製品として対向設置型の「WANJet」を持っているが、「WebAccelerator(BIG-IP)はWebブラウザをクライアントとするWebアプリケーションの高速化に特化した製品、また、WANJetはHTTP以外の特定アプリケーションプロトコルの高速化とTCP最適化を提供する製品」として、すみ分けができると説明している。

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