第9回 EMモバイルBBは「あなたの仕事を20倍速くする」のか?再考・ワイヤレスネットワーク(3/4 ページ)

» 2007年08月16日 07時00分 公開
[池田冬彦,ITmedia]

VPNリモートアクセスを検証

 筆者はD01HWを使い始めて、もう1カ月になる。オフィスを離れるときは常にD01HWとノートPCを持ち歩き、いつでも自由にインターネットアクセスできる環境を享受している。最もメリットを感じるのは、通信速度だ。平均的な実効速度は1.5〜2Mbps前後(下り)で、Webアクセスや添付ファイル付きのメール受信もまったくストレスがない。

 古い話で恐縮だが、考えてみれば下り2Mbpsという帯域は、99年に長野県でスタートした日本初のADSLサービス「JANISネット」の1.5Mbpsよりも速い。技術が進み、大幅に高速化した今でも、収容ビルからの距離が遠くて実効速度が2Mbpsに満たないというユーザーは確実にいる。そのようなユーザーはEMブロードバンドサービスを利用した方が高速、というケースもあるわけだ。

画像 「RBBToday」が提供するスピード計測サイトで速度を計測した。電波が弱いと1Mbps前後になることもある

 この実効速度は、PHSデータ通信では難しかったモバイルユースを可能にする。例えば、VPNによるリモートアクセスがある。EMブロードバンドサービスは一般的なダイヤルアップであり、接続した端末にはグローバルアドレスが割り当てられる。このため、VPNの利用には何ら問題は発生しない。筆者のオフィスはPPTP(Point-to-Point Tunneling Protocol)でのVPNアクセスを可能にしているが、D01HWを使って外出先からオフィスLANに接続し、ファイルサーバから必要なファイルをダウンロードしている。

 10MBのファイルをダウンロードする時間は、およそ1分。しかし、一般的な「4xパケット方式(204Kbps)」のPHSデータ通信では、17分〜20分程度かかってしまう。10MBといえば、少々大きめのデジカメの画像ファイル数枚分のデータ量だ。これらをコピーするだけで20分もかかってしまうのでは厳しい。やはり、速度面でのアドバンテージは大きいと実感している。

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