明日の検査、担当医の名前は分かりますか?――活躍する医療コンシェルジュeラーニングで資格取得を後押し(2/2 ページ)

» 2007年08月16日 09時09分 公開
[大西高弘,アイティセレクト編集部]
前のページへ 1|2       

頭の痛いコンテンツ制作費問題

 eラーニングを活用すれば、座学や実地研修以外の知識を希望者のバックボーンに合わせて講義することができるし、テストをして習熟度を測ることも可能だ。しかし同研究所自体がサーバやコンテンツ管理のための環境を持つことは難しいという結論になった。そこで選択されたのが、eラーニングソリューション企業デジタル・ナレッジのの提供するサービスだった。

 「課金まで備えた商用ASPサービス(Study.jp スクール会員)があり、そちらを利用することでコストもかなり抑えられることが分かりました。利用した分に応じて課金される仕組みなので、われわれのような組織にはぴったりだと感じましたね」と深津氏は語る。こうして仕組みは決まったが、問題はコンテンツ作成である。リッチなコンテンツをふんだんに用意しようとすると、またコストの問題が出てくる。

 「デジタル・ナレッジさんに協力してもらい、できるだけコストを抑える方策を取りました。例えば実際の講義風景や講演などの映像を利用して、スタジオ撮影の回数を減らしたりするなど、eラーニングコンテンツを改めて新しく作成する手間を抑えつつクオリティを落とさずに作っていったわけです。こうした知恵はeラーニング専業の企業ならではのものでしたね」と深津氏は語るが、07年4月の稼働を目指して、深津氏をはじめとする同研究所スタッフも努力を惜しまなかった。

eラーニング受講から資格認定まで

 無事、稼働し今では受講者の3分の2がこのeラーニングを利用して、連続3日の受講を2日に減らしている。eラーニングで事前に知識を整理しているので、実地研修などでもその効果が出てきているという。

 ASPは低コストで運用でき る反面、稼働が停止するケースがあるというが、同研究所ではそのようなことはまったくないという。同研究所では、これからもeラーニングのコンテンツの改良を進め、その効果をさらに大きく広げていく考えだという。

月刊アイティセレクト」2007年9月号 「業務革新事例大研究」より)

関連キーワード

eラーニング | ASP | SaaS


前のページへ 1|2       

Copyright© 2010 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ