政権投げ出しの裏には過剰反応の風潮が?――気にしすぎる人々のユウウツオルタナブログ通信(3/3 ページ)

» 2007年09月21日 13時47分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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ケータイが辞書になる日

 ニュースで、漢字を調べる際に辞書を使わずにケータイの漢字変換機能を利用する人が20代で8割にのぼるというのを聞いて、ギョッとした。

 丸山義夫氏「ドーダスドニノようこそ!」に投稿された漢字が書けなくなる日??は、このニュースを受けて書かれたエントリーだが、同感することしきりだった。

 確かに、パソコンを利用して文章を書くようになると、ついついかな漢字変換機能に頼ってしまい、辞書を引く回数が減ってしまう。なるべくデスク周りには国語辞典、漢和辞典を置くようにしているが、何でも変換で出てしまうとついつい分かった気がしてしまう。しかし、その言葉の意味までは分からない。それでも、パソコンの辞書の場合、電子辞書と連動することもあるが、ケータイではそうはいかない。ただ単に、候補を出すだけだ。どれが正しいかまでは分からない。

 また、仮に意味が分かるといっても、電子辞書になってしまうのもどうか。丸山氏が指摘するように、紙の辞書で調べたほうが頭には入るような気がするのだが……。このままでは、筆者も含め「読めるけど書けない」漢字が増えていくような気がしてならない。

 また、辞書と言えば「百科事典」としてのWikipediaの利用が当たり前になってきているが、同時にWikipediaが完ぺきではない、どちらかといえば問題なケースが明らかになってきている。加藤恭子氏「きょこ コーリング」に投稿されたWikipediaを更新してるのは誰?Wikiscannerで書き込みが変わるか?にあるような事例があるからだ。筆者も、とある芸能人のブログで、Wikipediaにプライベートな上に嘘が書かれていて困るという書き込みを見かけた。それは、ブログ読者によって修正されたようだが、本人が気付かなければ、それが真実として流布される危険性があるというものだ。実際に筆者は、その人が離婚しているという誤った情報を信じてしまっていた。

 Wikipediaは使い方によっては便利だが、無条件に信じることができないことも認識しておくべきだろう。

ブログの価値

 林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」に投稿されたブログは自分を振り返るポートフォリオになるは、なかなか興味深かった。

 筆者も、複数のブログサービスを利用している。最初は、ブログに関する記事を書くために、いろいろなサービスを使ってみるというところから入ったのだが、今ではそれぞれテーマに分けて利用している。つまり、林氏が紹介した人と同じく、読んでもらう対象者が違うブログを使い分けているということだ。

 筆者も数年前からブログをやっているので、自分を振り返るよすがになる。他人にとっては意味がないものでも、自分にとってはかけがえのないものとなるのかもしれない。

 そしてもう1つ、林氏が投稿した自分のブログの価格はどれくらいなのか?も、なかなか面白い。ブログパーツで、自分のブログの価値を換算してくれるというのだ。更新頻度や被リンク数、検索順位などを基準にして、過去の成約案件の実績と照らし合わせて設定するという。少し怖いが貼ってみようかなとも思った。

一部の意見に過剰反応する世間

 最近、気になることがある。それは、テレビで流れるCMだ。幾つかのCMが、ふと気がつくと言葉が差し変わっていたり、画面がカットされていたりするのだ。

 それはなぜだろうと思うと、たいていの場合は「視聴者からのクレーム・意見」によるもの。「〜が間違っている」「〜は子供が真似するのでやめてくれ」……それが決して多数でなくても、過剰反応してしまうことがあるようだ。

 永井孝尚氏「永井孝尚のMM21」一部の意見は案外強い、が....は正に、この状況を表している。リスク回避というマーケティングなのだろうが、いささか行き過ぎのような気がするのは、筆者だけだろうか。それとも、永井氏が指摘するように、何らかの形で揺れ戻しがあるのだろうか。非常に興味深く感じた。

 以上、9月6日から9月12日にかけて、オルタナティブ・ブログに投稿された200個のエントリーの中から、筆者が気になったものを幾つかピックアップしてみた。

 しかし、ご覧のように本記事で取り上げることができたのは、わずか数本のエントリーに過ぎない。ほとんどの興味深いエントリーは、泣く泣くカットせざるをえなかった。本記事をキッカケにして興味を持たれたものがあったら、ぜひオルタナティブ・ブログの他のエントリーも読んでみてほしい。

 オルタナティブ・ブログを読む際には、まずは気になるブロガーを探してみよう。「ブロガー一覧」を見れば、それぞれのブロガーの最新エントリーを確認できる。また、お気に入りブロガーがいないという場合には、「最新投稿一覧」からオルタナティブ・ブログ全体の新着エントリーを確認するのもよい。また、これらはRSS配信も行っているので、リーダーなどを使ってチェックすることが可能だ。さらに、Podcastで「オルタナティブ・ブロガー リレー」も公開されている。お気に入りブロガーの肉声が聴けるチャンスかもしれない。

 ITの今を知る、新たな発見があるハズだ。

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