処理性能劣化は他社の半分――日立システムがUTM新製品を発表

日立システムは、Juniper製UTMアプライアンスであるSSGシリーズの新製品「SSG 320M」「同350M」を発表した。中小企業向けにソリューション提供していく。

» 2007年10月09日 17時26分 公開
[伏見学,ITmedia]

 日立システムアンドサービス(日立システム)は10月9日、都内の同社セミナールームで記者会見を行い、米Juniper Networks(Juniper)のUTM(統合脅威管理)製品であるSSGシリーズ新製品「SSG 320M」「同350M」を発表した。11月1日から販売開始する。

 同製品は、主に中規模企業や大企業の支店・営業所をターゲットとしたUTMアプライアンス。ファイアウォール/VPN、IPS(侵入防御システム)、アンチウイルス、アンチスパム、Webフィルタリングなどの機能が1台に集約されている。同社ネットワーク・セキュリティソリューション本部長である西條洋氏によると、その特徴は「有力ベンダーとの提携による付加機能、競合他社と比較した製品価格および性能での優位性、強力な技術力やサポート体制」だという。

西條洋ネットワーク・セキュリティソリューション本部長 新製品の特徴と同社の方向性について説明する西條洋ネットワーク・セキュリティソリューション本部長

 付加機能について、アンチスパムはスパム対策テクノロジーである「Symantec Brightmail AntiSpam」を採用、IPSはJuniperのIDPシリーズを採用、WebフィルタリングはSurfControlから、アンチウイルス機能はKasperskyから提供された機能を採用している。セキュリティ分野でそれぞれ第一人者の企業製品を搭載することで、ユーザーにより高い信頼性を提供する。

 性能面では、競合UTM製品や、同社の前機種となる「NetScreen50」と比較して、価格を抑えつつもファイアウォール/VPN性能が向上している。「UTM機能を使うとネットワーク処理性能が低下する。競合製品だと8〜9割の性能低下が見られたが、同製品では5割以下に抑えることができる」(西條氏)という。

 同社の販売戦略は、ソリューション提供に重きを置いている。特にUTM製品に関しては、性能を向上させる一方で、導入や運用の容易さがシビアに求められる。従って、製品単体を販売するのではなく、導入のコンサルティングや、運用・保守サービスなど顧客へのサポート体制を充実させることで、競合他社との差別化を図っていく。まずはUTM製品の導入が進んでいない中小企業を対象に売り上げを拡大させたいと、西條氏は強調した。

「SSG 320M」「SSG 350M」 今回発表されたUTMアプライアンス「SSG 320M」「SSG 350M」

 製品本体価格は、SSG 320Mが84万円、同350Mが105万円。アンチウイルス、アンチスパム、Webフィルタリング、DI(Deep Inspection)の全機能をセットにした「UTMライセンス」は、SSG 320Mが年間42万円、同350Mが年間51万4500円。

 同社はSSGシリーズ全体で、今後2年間で1万4000台の販売を目指す。

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