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» 2007年10月10日 08時00分 公開

初心者歓迎! ITIL連載講座:「問題管理」でITサービスの貢献度を向上させる (2/4)

[谷誠之,ITmedia]

問題管理プロセスの役割

 問題管理の目的は、インシデントの根本原因を突き止めて、恒久的な解決策を提供することにある。また、問題のトレンド(傾向)を分析し、将来起こり得るインシデントに対して前もって対策しておき、インシデントの発生を防ぐことでビジネスに対する負のインパクトを最小限におさえることも目的である。起きてしまったインシデントに対して原因を調査する活動(いわば「火消し」の活動)のことを「リアクティブな問題管理」、将来起こるかもしれないインシデントを予防する活動(いわば「防火」の活動)のことを「プロアクティブな問題管理」という。

 前回も述べたが、IITLでは「インシデントを発生させる可能性のある未知の原因」のことを「問題」という。また「原因が特定された問題」のことを「既知のエラー」という。余談ながら「未知のエラー」という言葉はない。おそらくITILにおいては、未知のエラー=問題、ということなのだろう。

 問題管理においては「インシデントの根本原因を突き止め、再発を完全に防止する」点が重要だ。この活動には、それなりの時間を要する。再発防止策をとるためには、ITサービスを一時停止しなければならなくなる可能性もあるし、コストがかかる場合もある。

 先ほどの例だと、アプリケーションがハングアップするのを恒久的に防ぐために、そのアプリケーションをアップグレードする必要がある、と判断された場合は、バージョンアップのコストがかかるし、手間もかかる。もしかしたら、ユーザが新しいバージョンを使い慣れるのに時間がかかり、ITサービスの効率が悪くなるかもしれない。

 つまり、問題管理はインシデント管理と利害が対立する可能性があるわけだ。ITILがインシデント管理と問題管理を完全に区別しているのはこのためである。インシデント管理プロセスの遂行に責任を負うインシデントマネジャーと、問題管理プロセスの遂行に責任を負う問題マネジャーは違う人間をアサインする方がいい。ビジネスに対する影響を最小限にするということを共通の目的にして、うまくバランスをとっていくことが重要なのだ。

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