不死鳥のごとくよみがえるには――ルー語に学ぶリバイバル術オルタナブログ通信(2/2 ページ)

» 2007年11月05日 16時36分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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赤福などの偽装問題、次々に…

 赤福の製造日偽装問題に関しては、前回も触れた。だが、前回の原稿を書いた後に、さらなる問題が発覚したから驚いた。

 加藤和幸氏「てくてくテクネコ」むきもち、むきあん、むきげんていしにも書かれたように、「店頭の売れ残りの商品も冷解凍して再販売していたほか、わざわざ餅とあんに分けて、一部を原材料にしていた」というのだから、驚きを通り越してあきれるばかりだ。

 例えば食べても問題がなかったとするならば、谷川耕一氏「むささびの視線」どうどうとやればいいのにで書かれたようにその旨を出して販売するという手があったのかもしれない。

 そういえば、少し前まで日本のマスメディアでは、中国製品の問題を連日のように取り上げていた。その問題自体は未だに解消されていないが、それよりも足元の問題のほうが大変だったということになるのかもしれない。大木豊成氏「走れ!プロジェクトマネージャー!」人のことを言う前に・・・というエントリーを投稿し、喚起している。

 また、この赤福問題は高橋徹氏「代替案のある生活」赤福の問題は、対岸の火事、ではない!にあるように、他社、他業種であっても、振り返るべきことだろう。実際問題、赤福のみならず、いろいろな食品に関する偽装問題が発覚している。

 こうして失った信用を取り戻すのは大変だ。川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」赤福にみる 悪いことは隠せない・直せない、北添裕己氏「トラパパ@TORAPAPA」一度傷ついた信用は取り戻すのに凄い労力が要るにも取り上げられているが、長年つちかってきた信用が崩れ去るのは一瞬のこと。それを取り返すのはとてもひと筋縄ではいかないだろう。

 逆に、世間からの強いバッシングを受けた場合にどうするのか、それを逆手に取ることができるのかどうかが肝かもしれない。林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」バッシングマーケティングと炎上マーケティングに書かれていることは、非常に参考になった。

 赤福問題から派生して、現代の病理が垣間見えてくるように感じるのは筆者だけだろうか。

日本で地デジ移行は成功するのか?

 地上アナログ放送が終了し、地上デジタル放送へと完全移行するまで、あと4年を切ってしまった。いまや、地デジ対応テレビのほか、デジタル放送が見られるワンセグ携帯なども普及してきているが、読者の皆さんはどうだろうか。筆者は未だ、アナログテレビしか持っていない。唯一、ケータイがワンセグに対応しただけだ。こういう人はまだ多いのではないだろうか。

 ITmedia海外速報部・広瀬氏「海外速報部ログ」地デジ移行が加速する米国によると、日本より早くデジタル移行するアメリカでは、アナログテレビの販売を終了したところもあるとか。日本でも、この日は間近なのかもしれない。

 さて、アナログテレビであってもチューナーを付ければデジタル放送を見られるのだが、そのチューナーはそんなに安くない。アメリカでは政府が割引クーポンを配布するそうだが、日本も国策として進めているのならば何らかの方策が必要なことは間違いない。

 事実、幾つかのアンケートで、地デジに完全移行した場合、テレビを完全に見なくなるとする回答もあるのだ。ネット環境が整備されてニュースなどは簡単に得られるようになり、ドラマやアニメなどはソフトをレンタルなり購入なりすれば見られるとすれば、テレビはなくてもいいという人が増えても当然かもしれない。

 果たして今後どうなっていくのか、注視したい。

直筆で読む『坊ちゃん』

 筆者は先日、久しぶりに大型書店に出向いたのだが、そこで面白いものを発見した。夏目漱石の新書本なのだが、漱石が書いた直筆原稿がカラーで掲載されているのだ。オルタナティブ・ブログには、夏目漱石の孫にあたる夏目房之介氏もブロガーとして参加されているが(「夏目房之介の「で?」」)、すでに新書『直筆で読む「坊っちゃん」』というエントリーが投稿されていた。

 筆者のような本好きにとって、好きな作家の直筆原稿というのは宝物だ。たとえキレイに清書されたものであっても、筆跡からいろいろなことが見て取れるし、今回出版された坊ちゃんの場合、少し立ち読みした感じでは、いろいろな書き込みがあって、創作過程もうかがえる。さらに、夏目房之介氏の解説エッセイもあるとすれば、なかなか興味深い。

 夏目漱石に限らず、もっといろいろな作家で出して欲しいと感じたのは筆者だけだろうか。いま、出版業界は厳しいというが、こういうところで独自性を出せば思わぬヒットにつながるような気がする。個人的には、夏目漱石『こころ』の直筆原稿を読んでみたいと思った。

 以上、10月18日から24日にかけてオルタナティブ・ブログに投稿された170を越えるエントリーの中から、筆者が気になったキーワードから幾つかピックアップさせていただいた。

 だが、多くのエントリーは取り上げることができなかった。例えば、「「レコーディング・ダイエット」についてのあれこれ」(安藤怜のロンドン灯)「ダイヤルアップ詐欺は絶滅したか?」(一般システムエンジニアの刻苦勉励)「実名検索で人を探して探される」(Empowerment blog)「体調管理:風邪はひかないことにする」(マリコ駆ける!)などなど、取り上げたいと思ったエントリーがあったのだ。本記事を読んで、少しでも興味を持たれたものがあったならば、ぜひオルタナティブ・ブログのほかのエントリーを直接、読んでもらいたい。

 オルタナティブ・ブログを読むには、「最新投稿一覧」から、オルタナティブ・ブログ全体の新着エントリーをチェックしてみよう。そして、ここから気になるブロガーを見付けたら、「ブロガー一覧」や、そのブロガーのRSSから直接新着をチェックしてみるといい。また、Podcastで「オルタナティブ・ブロガー リレー」という配信もされているので、お気に入りブロガーの肉声を聞くこともできるだろう。その上でブログを読むと、また違った読み方ができるのかもしれない。

 ITの今を知る、新たな発見があることは間違いない。

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