シマンテック、業界初のボット対策専用ソフトを発売

シマンテックはボット対策に特化した「ノートン・アンチボット」を3990円でオンライン販売する。

» 2007年11月28日 15時22分 公開
[ITmedia]

 シマンテックは11月28日、Windows対応ボット対策専用ソフトウェア「ノートン・アンチボット」を発表、販売を開始した。個人ユーザー向けのボット対策に特化したツールの発売は業界初となる。価格は3990円(税込み)で、オンラインストアよりダウンロード販売を行う。

 ボットは、ユーザーが感染したことに気付きにくく、感染コンピュータで構成されるボットネットワークはスパムメール送信や個人情報の取得を目的にボットを遠隔操作する「ボットマスター」(ハーダー)によるサイバー犯罪のインフラとなるなど、ウイルスやワームとは異なる性質の脅威とされている。同社によると、2007年上半期にアジア太平洋地域でボットに1度以上感染した稼働中のコンピュータは1日平均で1万5447台に上り、「サイバー犯罪の95%は個人ユーザーがターゲット」(コンシューマ営業統括本部の大岩憲三執行役員統括本部長)だという。アンチボットは個人ユーザーの中でも、ボットの脅威を認識する、セキュリティ意識の高いヘビーユーザーや技術者の利用を想定している。

画像 コンシューマ営業統括本部の大岩統括本部長
画像 トータルで600万台の個人PCがボットに感染。アジア地域では、ボットの8割近くが中国を発信源としている

 アンチボットは、ボットやトロイの木馬、rootkit、キーロガーのようなステルス性の高いマルウェアの実行に対してリアルタイムの保護を行う常駐型のツール。マルウェアの挙動(ビヘイビア)を検知する独自のヒューリスティックスキャンエンジンを搭載し、マルウェアを検出/駆除する。パターンマッチングの検出は行わないため、システムをスキャンしたりシグネチャを更新したりする必要がない。同社の「ノートン・インターネットセキュリティ」に採用されるビヘイビアベースのボット検出技術「SONAR」に比べ、より多くの種類のボットに対応する。

 また、使用メモリサイズが10Mバイト、CPU利用率が2%以下という「軽さ」も特徴で、ほかのエンドポイント対策製品との併用が可能だという。1ライセンスで3台のPCまでインストールできる。

 アンチボットは、米Symantecが米Sana Securityからライセンス提供を受けて販売している製品。単体でもマルウェアの駆除は可能だが、同社はそれだけでは十分なセキュリティ対策にはならないとして、インターネットセキュリティなどのアンチウイルスソリューションを補完する製品と位置付ける。

 ボット対策ツールを既存のセキュリティ対策製品に統合せず単体でダウンロード販売する狙いについて、同社の風間彩シニアリージョナルプロダクトマーケティングマネジャーは「他社に先駆けて(Sana Securityと提携して)できるだけ早期に市場投入したかった。現状は保護レイヤを追加するという認識だ」と説明。将来、パッケージで販売したり、ユーザーニーズがあればインターネットセキュリティに統合するなど別の提供形態を検討したいとしている。

画像 シマンテックの新キャラクター「ノートンファイター」(手前)と悪役「ボットラス」

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