MS、システム管理製品群を大幅強化――サーバ管理スイートも発売

マイクロソフトは、System CenterおよびForefrontの新製品を発表。System Centerには他社に比べ価格が3分の1以下というサーバ管理スイートを投入する。

» 2007年12月06日 16時37分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 マイクロソフトは12月6日、システム運用管理製品群「System Center」およびセキュリティ管理製品「Forefront」の新製品と、パートナーシッププログラムを発表した。低価格のサーバ管理用スイート「Server Management Suite Enterprise」も発売する。

五十嵐光喜本部長

 発表の冒頭、サーバープラットフォームビジネス本部の五十嵐光喜業務執行役員本部長は「ITインフラには、市場競争を勝ち抜きたいという経営ニーズ、生産性を高めたいユーザーニーズ、複雑な運用管理業務の効率化を求める管理者ニーズが寄せられている。当社は『Dynamic IT』コンセプトの基で仮想化やSOA、Software plus Service、ユーザー視点のプラットフォーム展開に注力しており、新製品およびパートナープログラムでITインフラ強化を実現させていく」とあいさつした。

新製品と新ライセンス、パートナープログラムでITインフラ分野を強化する

 新製品は、サーバ用セキュリティ管理ツールの「Forefront Server Security Management Console日本語版」、System Centerのラインアップとして、ITシステムの資産管理/展開管理を行う「Configuration Manager 2007(SCCM 2007)」、データバックアップ/リカバリの「Data Protection Manager 2007(DPM 2007)」、仮想マシン環境の運用管理を行う「Virtual Machine Manager(VMM 2007)」、ゲートウェイ管理の「Intelligent Applications Gateway 2007(IAG 2007)」の5製品。

サーバ管理スイートは、仮想マシンの普及拡大を見据えて投入する画期的なライセンスという

 また、Server Management Suite Enterpriseは、SCCM 2007とDPM 2007、VMM 2007、システムの稼働率や状態監視を行う「Operations Manager 2007」の4製品で構成される。同スイートは、1サーバライセンスだけで仮想OSを無制限に管理できるライセンス体系を採用。価格は10万3400円(ライセンスと1年間サポートプランの場合)からで、「他社に比べて3分の1〜5分の1になるだろう」(マネジメント&セキュリティ製品部の深瀬正人マネジャー)という。

 IAG 2007は、SSL-VPNとファイアウォール、エンドポイントセキュリティを統合したもので、ノートPCやPDAなどのモバイルデバイスからのリモートアクセス利用に特化した機能を提供する。デバイスのセキュリティポリシー状態の監視に加え、ウィザード形式でリモートアクセスから利用できるアプリケーションの設定が行える。

Data Protection Manager 2007では、ユーザーが管理者に問い合わせなくてもファイルエクスプローラーから消去されたファイルを復元できる

 パートナープログラムでは、技術支援や共同マーケティング、技術者育成などを提供する計画で、NECや三井情報、ディアイティなど25社が参加を表明。同時に、NECがSigma System CenterとOperations Manager 2007との連携、ディアイティがIAG 2007を実装したアプライアンス製品「WSA」シリーズ(140万円から)、三井情報がITILに基づく資産管理支援ツール「Asset & Incident support tool」の無償提供を発表した。

 五十嵐氏は最後に、「1年間で1000人の技術者育成を目指しており、新製品と戦略的なライセンス体系によって、ITインフラ強化の施策を積極的に展開していく」と述べた。

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